LOCUST、急速展開で埼玉・奈良に連続出店 勝負をかけるオフプライス業態の新潮流
パルグループホールディングスと総合商社・双日が共同展開するオフプライスストア「LOCUST(ローカスト)」が、2025年6月に奈良・埼玉で相次いで新店舗を開業する。13日には奈良市の「ミ・ナーラ」1階に、20日には埼玉県久喜市の「モラージュ菖蒲」3階に、それぞれ出店を予定している。LOCUSTの出店は全国で急増しており、特に地方中核都市にある郊外型ショッピングセンターを中心とした展開が目立つ。
LOCUSTは、アパレルや生活雑貨、家電など多彩な商品を毎日セール価格で提供するオフプライスストア業態。複数のブランドやメーカーから余剰在庫や廃盤品を買い取り、最大90%OFFという価格で展開するスタイルは、アウトレットとは異なる品揃えの多様性と即時性を特徴とする。加えて、サステナブルな循環型社会への貢献を掲げ、衣料品ロス削減にも取り組む。
ミ・ナーラ店は売場面積約72坪、モラージュ菖蒲店は約55坪のワンフロア構成で、レディス・メンズアパレルのほか、服飾雑貨や日用品を取りそろえる。両施設とも、都市中心部ではなく、郊外型の商業施設に位置しており、この出店傾向はLOCUSTの出店戦略の特徴でもある。
出店場所となる「ミ・ナーラ」は、旧イトーヨーカドー跡地を活用した再開発施設で、観光客と地元住民の双方をターゲットにした構成が進む。一方の「モラージュ菖蒲」は、北関東圏の広域商圏を担う大型モールで、アパレル・雑貨店舗を多数集積し、車来店型の家族客を主な集客対象とする。いずれもユニクロやGU、ZARAといったSPA系、あるいはドン・キホーテなどのディスカウント業態と並ぶ中で、LOCUSTが独自の立ち位置を築こうとしている点に注目が集まる。
現在、オフプライスストア市場には、ワールドとゴードン・ブラザーズが手掛ける「アンドブリッジ」や、ゲオホールディングスの「ラックラック」などがあるが、いずれも出店ペースは限定的だ。LOCUSTはこれらに対し、短期間での急速な店舗拡大を実現しており、2025年上半期だけでも奈良・埼玉・兵庫・大阪・高松など、複数エリアでの出店を進行中である。
背景には、家賃負担を抑えた中価格帯商圏での利益率確保、幅広い層に響く“掘り出し物”訴求、そして商業施設側から見た「集客効果と話題性の両立」がある。LOCUSTの展開は、テナントミックス再構築を目指す地方SCにとっても格好の存在であり、今後の継続的な誘致の動きも予想される。
成長の速度と立地の巧妙な選定により、LOCUSTはオフプライスストア業態における一つの新たなスタンダードを構築しつつある。郊外型施設への出店という選択が、地域商業の新たな活性化の呼び水となるか、注視が必要だ。以下、株式会社パルグループホールディングスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
※LOCUSTなんばマルイ店(大阪府) 外観
- 『LOCUSTモラージュ菖蒲店』概要
□オープン日:2025年6月20日(金)
□住所:
埼玉県久喜市菖蒲町菖蒲6005番地1
モラージュ菖蒲3階
□営業時間:10:00~21:00
□売場坪数:約55坪
□取扱商品:レディース・メンズアパレル
- 『LOCUSTミ・ナーラ店』概要
□オープン日:2025年6月13日(金)
□住所:
奈良県奈良市二条大路南1-3ー1
ミ・ナーラ1階
□営業時間:10:00~20:00
□売場坪数:約72坪
□取扱商品:レディース・メンズアパレル