KEYUCA、ららテラス川口に新店舗出店 生活提案型ブランドの競合激戦区での再挑戦
川口駅前に新たな商業施設として誕生する「ららテラス川口」に、ライフスタイルブランド「KEYUCA(ケユカ)」が2025年5月31日に新規出店する。運営する河淳株式会社は、衣食住にかかわるオリジナル商品を全国約100店舗で展開しており、今回の出店により、かつて閉店した「そごう川口店」以来となる川口市内への再進出を果たすことになる。
出店先となる「ららテラス川口」は、旧そごう川口店の建物をリニューアルした大型商業施設で、JR川口駅東口に直結する利便性の高いロケーションが特徴である。施設内には埼玉県初出店を含む約90店舗が集積し、都心通勤者と地元ファミリー層をターゲットにした複合型モールとして注目されている。KEYUCAが展開するのは、キッチン雑貨、食器、バス用品、服飾雑貨、アパレルなどを揃える総合ライフスタイルショップであり、同施設のテナント構成とも親和性が高い。
今回の出店は、周辺地域における競合の激化を見据えた戦略的な動きでもある。川口市内および周辺には、KEYUCAとコンセプトが近い「無印良品」が複数店舗展開しているほか、リーズナブルな北欧スタイルを提案する「IKEA」(最寄りは新三郷)や、上質な家具と雑貨で知られる「ACTUS」(越谷レイクタウン)、さらには感度の高い女性層に支持される「Francfranc」などが並ぶ。これらはいずれもKEYUCAと同様に「空間全体を提案する」ブランドであり、商品単体ではなくライフスタイル全体を提示する姿勢において競合関係にある。
また、生活導線の中では、低価格帯で広く支持を得ている「ニトリ」や「無印良品」といった量販系ブランドとも部分的にターゲットが重なる。KEYUCAは「ちょうど良いをつくる」というブランドコンセプトを掲げ、過度な高級志向に走らず、日常に根ざしたデザインと使いやすさを追求している点で独自性を保っているが、それだけに、回遊性の高い大型商業施設内での接触機会をどう生かすかがポイントとなる。
かつて川口駅前のそごうで営業していたKEYUCAは、当時から根強い顧客層を獲得していた実績がある。今回の出店にあたっては、ブランド再認知の契機であると同時に、競合が集中する中での差別化戦略が問われる局面でもある。機能性とデザイン性を両立したヒット商品群を揃える一方で、店頭でのライフスタイル提案力をどこまで打ち出せるかが、定着の鍵を握るといえよう。
川口駅前の都市開発が進む中、KEYUCAの再出店は地域に新たな生活価値を提供するとともに、激化するライフスタイル業態の競争においても重要な布石となる。今後の動向に注目が集まる。以下、河淳株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
〒332-0017
埼玉県川口市栄町3-5-1 ららテラス川口1F
電話:048-299-2611
営業時間:10:00~21:00