JOINUS TERRACE 二俣川へ行ってみた

横浜市民にはなじみの「二俣川」、運転免許試験場がある駅だ。

私にはもう一つ忘れられないことがある。3.11東日本大震災の時、ちょうど運転免許試験場で免停講習を受講しておりました。プレハブの校舎がつぶれそうな揺れが続いた後、外へ出たらまた揺れ、背丈ほどのフェンスが地面と一緒にねじれるように揺れていた。講習は中止になったが、電車も当然動いていない。徒歩で一時間余りかけて戸塚の自宅まで帰った。あの津波のことなど想像もせずに・・・合掌。

運転免許試験場とは反対側、旧「グリーングリーン」というそれはそれは小さな駅ビルを建替え・増床し生まれたのが「JOINUS TERRACE」。周辺の開発も合わせ大きな工事になったようだ。

この狭いエリアの中に線路があり、道路があり高低差があり・・・プランニングの苦労が目に浮かぶようだ。

この複雑なハード与件の中で、上手に創ったな、というのが第一印象。ブリッジをかけながら何とか回遊導線を確保している。今年の秋には線路の上の床がオープンするようだ。そんな中で、キーテナントのSM「そうてつローゼン」の店づくりに複雑さのしわ寄せがきている。営業時間の長さ（7：00～25：30？なに25時？わけわからん。そんな必要がほんとにあるのか！）も原因だとは思うが、オペレーションし辛い造りになってしまった。

その他主なテナントの顔ぶれとしては「MUJI」、「UNIQLO」、「ABC－MART」の御三家に、「GLOBALWORK」、「coen」、「AMERICAN　HOLIC」、「SM2」・・・どこかで見たな・・・そうだ、わが戸塚の東急プラザだ！全く同じだ！ばかな？戸塚駅は東海道線、横須賀線、市営地下鉄グリーンラインが入っていて一日約25万人が乗り降りする西横浜エリア最大の駅だ、それがこんな相模鉄道のみで一日の乗降客が8万人にも満たない駅と同じ？という事で両駅を比較してみる。

※（所沢については今年3月「GRAND　EMIO」という駅ビルがオープンしたので参考にのせてみた）

驚いたことに足元人口は二俣川の方が多い。

もちろん駅の吸引力エリアはまた別であろうから、一概には言えない。二俣川は次はもう横浜である。戸塚の隣は大船駅で手前は東戸塚駅である。ただ、一つの指針として大商業集積地から10分程度離れて、駅周辺に10万人以上が居住するエリアであればこれと同様のMDが成立するという事か？これからに注目したい。

対EC、リアルSCの強みをどう出すかという施策については、この狭く、高い（値段が）床にイベントスペースも取ってあり、力を入れてゆくという覚悟が見える。また、屋上に「グリーングリーンテラス」（元々あった旧駅ビルの名前を残した形）という広場を用意しているが、これは誰にどのように使ってほしいのか、意図が全く分からない。なんとなく屋上広場っていいよね、ぐらいの感じで創ったのか？唯一の導線であるEVが1基しかない。5階までは2基あるのに6階へ行くのは一基だけ。それも小さい。何もないし。

どうせやるなら、バギー族のお母さんたち、お年寄り方々の社交場となり、地域の人たちのコミュニティーの場になるくらいのつもりでやるべきだろう！最後の最後でけちったな、という感じを持ってしまった。

二俣川駅の次の開発は北口にある「そうてつLife」を建替え、この「JOINUS　TERRACE」に繋げるという作業になるだろう。その際はこの「グリーングリーンテラス」もついでにリニュアルして皆が集える広場にしてもらいたいものである。

文責：太田仁