シャオバイチュー、日本市場にAIオーダースーツ参入 “時間とコスト重視”のビジネスマン向けに新たな価値を提供
中国湖南省の新興企業シャオバイチュー(彭杜平社長)は、AI技術を活用したオーダースーツビジネスで日本市場に参入する。同社は広州市番禺区の大型ファミリー向け「広州番禺歓楽森林」や、東莞市の農村型リゾート「塘厦歓楽田園」などの施設を運営しており、観光・レジャー分野での経験を背景に、2022年からAIビジネスの可能性に着目してきた。2023年には中国国内でECサイトを立ち上げ、2024年6月に日本支社を設立するなど、オンラインからオフラインへの事業展開を日本市場で試みる。
今回、日本での展開が予定されているのは、同社が新たに展開する紳士服ブランド「SO」を用いたAIオーダースーツサービスである。このサービスは、顧客が身長と体重、おなかの形状を入力するのみで、AIが最適なサイズを算出することが特徴だ。注文データは中国のデータセンターで処理され、製造は山東省の提携工場で行われる。最短20日以内でスーツを納品する仕組みを構築し、独自の技術によってAIが精緻なサイズ提案を行う点は世界的にも希少であるとされる。
日本市場での導入に際し、シャオバイチューはJIS規格を含む日本人の体型データをAIに学習させている。中国国内で実証実験を繰り返し、精度を高めたこの技術は、身長・体重という基本情報から正確なサイズを導き出すことで顧客の利便性を向上させることに成功している。
価格帯は税込みで6万5000円から9万円、ベスト付き3点セットで8万から12万円と設定し、同品質の他社製品と比較すると約半額を実現している。生地にはイタリアの高級ブランド「マルゾーニ」を含む260種類を揃え、シルエットや仕様の細かなカスタマイズも無料で提供する。また、納品後の支払い方式と無条件の返品保証を導入し、顧客が気軽に試しやすい体制を整えている。
シャオバイチューは、商業施設を中心にゴルフ場、空港、カフェ、高級ジム、オフィスなどビジネスマンが利用する施設へ向け、AIオーダースーツの注文什器を展開する予定である。2024年に10〜20台、2025年には50台の設置を目指し、特に時間とコストの節約を重視するビジネスマン層の需要を掘り起こす方針だ。さらに、アパレル企業とのコラボレーションやOEM提供も視野に入れ、10月には都内で開催される合同展に出展し、大手商業施設との商談も予定している。
彭社長は「見た目にこだわるビジネスマンがターゲットであり、AI技術を活用して手軽にカスタマイズできる時代の流れに応えたい」と語り、日本市場での成功を足がかりに、シンガポール、台湾、韓国などへの展開も視野に入れている。服とAI技術の融合による新たなビジネスモデルの可能性を確信している様子が伺える。
以下、同社の資料から画像を引用。