USEN REALTY、商業ビル事業に本格参入 – 不動産取得からDXリノベーションまで一貫運用へ
不動産業界において、新たな動きが注目を集めている。株式会社USEN REALTYが、このたび商業ビル事業を本格的に開始し、初めての不動産取得を行ったのだ。同社は、U-NEXT HOLDINGSグループの一員として、不動産領域における中核企業としての役割を担っている。
USEN&U-NEXT GROUPは、60年以上にわたり飲食店や小売店を中心に、全国約85万の店舗・施設に対して幅広いサービスを提供してきた実績がある。店舗BGMやDXソリューション、通信・エネルギーなどのインフラサービスを手がけ、顧客基盤を拡大してきた。そして今回、店舗・施設運営における包括的な付加価値提供を実現するため、商業インフラに不可欠な不動産領域へと事業を拡大する。
USEN REALTYの新たな取り組みは、「街を次へ」というテーマのもと、独自性と普遍性を追求する”Unique Yet Universal”の視点で展開される。同社は日本全国の不動産を取得し、DXリノベーションやテナントリーシングまで一貫した運用を行うことで、都市や街のより良い未来の創造を目指している。
投資対象となる商業ビルは、「ウェルネス」「オールデイダイニング」「ナイトタイムエコノミー」の3カテゴリーに分類される。具体的には、フィットネスジムやヨガスタジオ、クリニックなどのウェルネス施設、カフェやレストランなどのオールデイダイニング、居酒屋やバー、スナックなどのナイトタイムエコノミー関連施設が含まれる。投資エリアは全国をカバーし、首都圏と地方でバランスの取れた長期的な不動産ポートフォリオの構築を目指している。
USEN REALTYの特徴は、単なる不動産投資にとどまらない点にある。同社は、テナントの快適性と生産性向上につながるビル環境の提供を重視している。さらに、USEN&U-NEXT GROUPの多様なDXソリューションを活用し、店舗運営の効率化を図る。これにより、テナントは業務の合理化を通じて得られた時間を、店舗の将来に向けた戦略立案など、より付加価値の高い活動に充てることが可能となる。
加えて、ビルオーナーとしてテナントと協力し、集客促進施策を実施する点も注目に値する。これは単に商業ビルの賑わいを創出するだけでなく、街全体や地域社会の活性化にも寄与することが期待される。
USEN REALTYはすでに具体的な投資行動を開始しており、2物件の取得と1物件の売買契約締結を発表している。7月31日には石川県金沢市片町のオーロラビル、8月30日には東京都目黒区自由が丘のFeel自由が丘ビルを取得。さらに8月26日には京都府京都市左京区のダイニングビルの売買契約を締結し、9月30日の取得を予定している。
不動産業界におけるこの新たな動きは、単なる物件の取得や運用にとどまらず、テナントサポートやDX推進、地域活性化まで視野に入れた包括的なアプローチとして注目される。USEN REALTYの今後の展開が、商業不動産市場にどのような影響を与えるか、業界関係者の注目が集まっている。以下、株式会社U-NEXT HOLDINGSのプレスリリースから画像を引用。