百貨店の百貨店らしいものの販売方法
日本橋三越本店が面白いプロジェクトを立ち上げています。その名も湯道への道。放送作家でクリエイターの小山薫堂氏を迎え、日本のお風呂文化を世界に発信するというものです。なぜ百貨店なのか?なぜ小山薫堂氏なのか?なぜ今なのか?疑問が多くご紹介することをためらっていましたが、私なりの見解がまとまったので今回ご紹介いたしました。
百貨店はいわゆる商業施設のなかでも自ら売り主の形態。ものが売れないと立ち行かなくなります。ネット通販が成長し、価格比較も容易になった今百貨店でものを買うことの意味を消費者が問っているように思えます。インバウンドに支えられなんとか売上を維持できている状況の百貨店が百貨店としてやるべきことは何なのか?
百貨店としてやるべきことは物にまつわるストーリーをしっかりと作り込み、そのストーリーと共に商品を販売する。非常にシンプルなことなんです。ネットで買えない特別な商品を極上のストーリーを添えて販売する。ここでこれまでに無いアプローチでストーリーを紡ぐ必要になります。そこで小山薫堂氏が出てくるのではないかと思いました。
同時に2020年までに高まっていくインバウンドに合わせ、ストーリーは国際的なコンテンツであるべき。日本が世界に発信できるコンテンツで国際性があるストーリーが望ましい。となると全世界の人々が日々行う行為で日本の「それ」が得意で優位性があるものの方がいい。そこで今回お風呂というコンテンツを選んだのではないか?と思われます。
百貨店のそもそもの強み、良質な商品を良質なストーリーと一緒に販売する。これを世界に向けて行うという理想的なプロジェクトです。今後の展開に期待です。以下、株式会社三越伊勢丹ホールディングスからのプレスリリースを抜粋。
日本の「入浴」を文化として世界に発信 日本橋三越本店で「湯道への道」開催!
ライオン像もほっこり「いい湯だな」日本橋三越本店では、小山薫堂氏が日本の生活文化「お風呂」を世界へ広めるために提唱した「湯道」をご紹介する「湯道への道」を開催中。三越のライオン像も登場し、頭に手拭いをのせお風呂を楽しんでいます。
日本橋三越本店 本館1階中央ホールでは、「湯道への道」がスタートしました。
「湯道」とは、小山薫堂氏の提唱のもと、日本人が日常の習慣としている「お風呂」を「道」として究め、日本の文化として世界へ広めるために始まりました。日本橋三越本店は、その「湯道」へ賛同し、5月10日より、本館1階中央ホールにおいて「湯道への道」を開催しております。10日は、提唱者の小山薫堂氏、檜創建 代表取締役 小栗幹大氏、桶栄 川又英風氏、工芸プロダクトディレクター 山田浩氏をお迎えし、トークセッションを行いました。会場では日本の伝統工芸の技が光るオリジナルの湯道具や湯室をはじめ「湯道」に纏わる商品を取り揃えてご紹介しております。三越の象徴となるライオン像も登場し、頭に手拭いをのせ、お風呂を楽しんでいます。13日(土)には、小山薫堂氏と職人の皆さまをお招きしたトークショーも開催します。