商業施設の賢人たちに聞く6つの質問 商業施設の賢人たち事務局長 北條夏旭氏
姉妹サイトである商業施設の賢人たちにご登録いただいているコンサルタントの皆様へのインタビュー記事です。今回はリーシングから商業施設のプロデュースまで幅広い経験をお持ちの商業施設の賢人たち事務局長北條夏旭氏に質問をいたしました。感度・感性豊かな同氏に商業施設動向に関しまして6つの質問をいたしました。
最近気になっている商業施設はどこですか?
自由が丘のラヴィータです。小規模でも、異空間を感じさせる施設で、異国情緒を感じながらの
地元施設が居心地よくていいのです。そこに行かないと体験できない空間を提供することがこれからの商業施設には必要なのではないかと考えています。だからと言ってコストをかけて立派なものを作り上げるのも違うのかなと思っています。テーマ性を大切にした商業施設は今後も注目されていくのではないでしょうか?
最近気になっているテナントはどこですか?
テナントというか、店舗として興味があるのは、多店舗展開していないお店です。理由は、希少になったからです。企業の規模が大きくなり、多店舗展開せざるを得ない状況がその背景にはあるのかもしれません。しかし、見た目だけ変えた他業態の企業のお店があまりにも増えたのではないかとおもいます。そのせいかどこも同じに見えるところばかりで、個性を感じません。個性あるお店はどこにいっても目を惹きますし、気になってしまいます。
最近気になっている商業施設のトレンドはどこですか?
大正ロマン・異国情緒などのテーマ性を大切にされつつ新しいテナントを誘致されている神戸バルさんです。その内外装を活かしたコンセプトに共感しています。古い建物を大切にして、その建物を活かした商業施設はもっと日本にあってもいいのではないかと思っています。
最近気になっている消費者動向はありますか?
100均やファストファッションがはやり始めたころから安くてもいいものはあるというムードを打ち出して購買心理をあおっているようなところが気になっていました。でも、最近はフリーマーケットも本格的になり、最後まで物を大事にするという傾向が強くなってきています。
今後は、リフォームやリメイク等でオリジナルな物を持つことも生活の知恵でありむしろ物の価値があがるという文化になるのではと思っています。
今年も大型商業施設がいくつかOPENしますが注目されている施設はありますか?
前述しましたが、大型だから良い、大型だから注目しなければいけないとは考えてはいません。ただし、今年開業する商業施設には各テナント企業がいろいろな業態を開発して出店されていますよね?今年OPENの大型商業施設といえば、銀座と渋谷だと思いますし、外せないのでとりあえず、視察という名目で物見遊山してきます。
ここ数年ですごいなと思わされた商業施設やテナントをお教えください。
4年ほど前ですが、高齢者に優しいダイシン百貨店です。結局優しすぎて、経営難でドン・キホーテになってしまったことが寂しい限りです。でも、高齢者の高齢者によるお店はの接客には感動しました。商売の原点をみた思いでした。すぐに「売らない」のです。驚きました。