都市と地方の融合:日本の民泊市場の成長と地域活性化への新たな取り組み
日本の民泊市場は、特に東京都を中心に大きな成長を遂げています。観光庁がまとめた「住宅宿泊事業の宿泊実績」によると、令和5年(2023年)6月から7月にかけての宿泊日数は前年同期比で201.2%増、宿泊者数は184.4%増という顕著な伸びを示しており、特に東京都では宿泊日数と宿泊者数が最も多く記録されています。国籍別では日本国籍の宿泊者が53.8%を占める一方で、外国人宿泊者も46.2%となっており、米国、韓国、中国、台湾、香港の宿泊者が多いことが示されています。
一方で、地方では店舗+民泊の「ショップハウス」という新しい取り組みが進められています。「ショップハウス」はマレーシアやシンガポールなどのアジアの都市で見られる伝統的な店舗付き住宅の総称のことです。広島県尾道市瀬戸田町のしおまち商店街では、株式会社Stapleの子会社、株式会社しおまち企画が商店街の活性化を目的としたプロジェクトを進行中です。このプロジェクトでは、店舗と宿泊施設が一体化した建築ユニット「ショップハウス」を開発しており、2023年10月25日にその2棟目が完成しました。
この「ショップハウス」は、1階がテナントスペースで、来春に飲食店の開業が予定されています。2階には宿泊施設「SOIL Setoda」の客室が設けられており、長期滞在に適したスタジオタイプの客室が2部屋新設されました。また、これらの客室は西粟倉村で製材加工されたFSC認証を受けた内装材や、瀬戸田漆喰を採用し、持続可能なエネルギー源として屋根一体型太陽光パネルやテスラ社の蓄電池を導入しています。
これらの取り組みは、商業施設と民泊の融合を進める一例として注目されています。都市部では、特に外国人宿泊者を含む民泊需要の増加が見られる一方で、地方では空き物件を活用した新しい形の商業施設と宿泊施設の一体化により、地域の活性化を図っています。このように、民泊市場の成長は、都市部と地方部で異なる形で進展しており、それぞれの地域特性を活かした取り組みが進められている様子がうかがえます。以下、株式会社Stapleのプレスリリースから画像と現在募集中の区画詳細を引用。
募集中のテナントの概要
所在地:しおまち商店街付近(お問合せください)
面積:約40㎡
業種:特に指定なし
家賃:お問合せください
特記:スケルトン状態での引き渡しとなります