平和堂の新たな挑戦:イオンモールへの出店と小売り市場の進化
ここ数年小売各社および関連会社が運営する小売事業、サービス事業が他社の商業施設に出店する事例が続々と生まれている。その背景としてはやはり自社の商業施設だけで展開すると規模の拡大ができず、成長が頭打ちになるという点と賃料面でどうしてもプロパー金額で出店しなければならないという点で他社物件に交渉して出店するという形が増加しているのではないかと思われる。今回のニュースも1957年創業の平和堂の小売事業がイオンに出店するというもの。
株式会社平和堂は靴とカバンの店・平和堂として創業。そこからおしゃれの店・平和堂、衣料スーパーを展開し、それらを統合したジュニアデパート平和堂を開始。その後食品スーパーマーケットも開始し、総合スーパー、スーパー事業を拡大し中国や韓国に進出を果たした。現在は東証プライム上場となっている。ここ数年の同社の決算情報予測から見る限り、2020年から2022年にかけて、売上高は微増していましたが、2023年には減少しました。また、2024年の予測では、2023年と比較してわずかな増加が見込まれています。営業益、経常益、および最終益は2020年から2022年にかけて増加傾向にありましたが、2023年には大幅に減少しました。2024年の予測では、さらに減少することが見込まれています。1株当たりの利益(EPS)も同様の傾向を示しており、2020年から2022年にかけて増加し、2023年には減少しました。2024年の予測では、さらに減少することが見込まれています。
これらの状況をはねのける意味でも起爆剤となる新規事業が求められている状況の中でのイオンモールへの出店となります。出店する業態は「CoCoRo Plus」。2009年10月に「ビバシティ平和堂」(滋賀県彦根市)内でショップ型売り場としてオープン。国内外の有名メイクブランドを始め、スキンケアやヘアケア、フレグランスなどのコスメ商品や、生活を便利にするライフスタイル雑貨をタイムリーに展開することで、美や健康に関心が高くトレンドに敏感な20~30歳代のお客様を主ターゲットにした店舗。現在は、平和堂内に22店舗、エールSC内に1店舗、他社内に店舗の合計31店舗まで拡大しており、今回の店で32店舗目となります。
今回の出店ではSNS“バズり”メイクブランド、ボディメイク、ボディケアそして自社商品のproduce by CoCoRo Plusの展開を中心に行うとのこと。取り扱い化粧品ブランドもハイエンドからティーンズ向けのものまで幅広く取り扱う。今回のように自社直営売場やショップ型売場が、自社運営以外のSCや専門店ビル等へ専門店としてテナント出店するケースは、「アクアウォーク大垣店」(岐阜県大垣市、2023年オープン)に続き、平和堂として10店舗目となるとのこと。
今後の同社の活躍に期待したい。以下、株式会社平和堂のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。