向ヶ丘遊園駅前パチンコ店の挑戦
今回はとある駅前パチンコ店の挑戦についての記事なのですが、まずはパチンコ業界のこれまでと現在の状況についてからはじめます。これまでパチンコ業界は規制がかかる度に倒産や廃業が大量に発生してきました。最初に発生したのが1990年代後半から2000年代前半でCR機というプリペイドカードをつかって遊戯するというシステムを導入したタイミングで100件を超える倒産が発生。2000年代半ばに風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に準ずる規則である遊技機規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)により定められたパチスロの4号機と呼ばれる機種の撤去に伴う資金繰りの悪化で全国の店舗数が10%弱低下するほど倒産するホールが急増した。そして2022年からまたパチスロの5号機と呼ばれるものの撤去とスマートパチスロなるものの導入そして2023年4月からスマートパチンコなるものの導入が始まる影響でホールは多額な投資を行わければならない状況になっている。これを受け運営コストの増大化により資金繰りが苦しくなりまた多くのパチンコ店が倒産、廃業をしなければならない状況となるのではないかと目されている。
そんな中でパチンコ店のM&Aや店舗の売却なども盛んに行われるようになり地方の実力ある店舗が都心部の中小零細ホールの店舗を購入するケースが増加していった。古くから営業してた駅前のパチンコ店の屋号がある日突然変わったなどということも散見されるようになっていった。駅前の地元に古くから根ざした老舗パチンコ店が苦労する時代がいよいよ来たという状況。今回はそんな老舗パチンコ店の挑戦についてお届けする。銀座ホールディングス株式会社といって小田急線向ヶ丘遊園北口で1954年からパチンコ店を経営されてきた企業。GINZA P-styleとGINZA U-styleという店舗を向ヶ丘遊園駅前で展開されてきましたが駅前の区画整備で一旦閉店。今回このタイミングで地元密着の施設を建設し、新たなパチンコ店と地域の繋がり方、パチンコ店の生き残り方を指し示す。今回の建物ではパチンコ店だけではなく、商業施設および賃貸マンションという建物に進化。
商業施設部分のテナントは地元企業の飲食店が2店舗、スポーツバーが出店。チェーンオペレーション店舗では100円ショップのキャンドゥやインドアゴルフシュミレーションのFREEGOや24時間スポーツジムのエニイタイムフィットネスそして三本珈琲が出店するとのこと。接骨院および調剤薬局も出店した上に地域のためのコミュニティスペースまで運営するとのこと。それらの店舗のうち今春には施設の7割にあたる店舗がグランドオープンし、夏に向けて段階的に施設内のテナントがオープンしていく形になるとのこと。
賃貸部分に関しては全60邸で1LDKから3LDKまでのレジデンスを建設。パチンコ店だけではなくレジデンス部分の賃貸経営で経営の安定化が考えられますし、銀行融資も受けられやすかったのではないかと思われます。従来パチンコ店業態の場合は銀行融資が受けづらいのですが不動産経営であれば融資が考えられます。このスタイルこそ駅前パチンコの今後の生き残る道のひとつなのではないでしょうか?向ヶ丘遊園から始まる銀座ホールディングス株式会社の挑戦にはパチンコの将来を感じさせられます。以下、銀座ホールディングス株式会社のプレスリリースから施設概要と画像を引用。
GINZAFOREST 概要
住 所:神奈川県川崎市多摩区登戸2121-1
最寄り:小田急線 向ヶ丘遊園駅 北口 駅前広場前
事業主:銀座ホールディングス株式会社 銀座ふれ愛パーク株式会社
設 計:有限会社 アトリエ アイズ
施 工:株式会社 イチケン 東京支店
構 造:鉄筋コンクリート造 地下1階・地上7階
用 途:物販・飲食店・遊技場・スポーツジム・サービス業・共同住宅 他
面 積:延床面積 13038.94平米