少子化を追い風に成長するブランド
2022年11月28日、松野官房長官は2022年1月から9月までに生まれた子どもの数が、速報値で59万9636人と前年と比べて約3万人減少のマイナス4・9%と調査開始以来最低のペースとなったと発表した。今年9月までの出生者数が過去最低だった2021年より約3万人減少していることについて「調査開始以来、最も少なかった昨年の出世数を下回るペースとなっており、危機的状況であると認識している」と出生者数の減少に危機感を示した。少子化に歯止めが効かない状況が続く日本社会。開く格差、晩婚化、子育てのコストの増加など複合的な要因で少子化が高速化していっている。簡単にお金を渡して、はいこれでなんとか育ててくださいと言われても育てられないものは育てられないし、結婚できないものは結婚できないのである。一部分だけ切り出して解決しようとしても解決できない深い問題がそこにはある。この問題は最早解決できるものではないのかもしれないとも個人的には感じている。最終手段として積極的な移民政策に舵を切るしか日本の人口問題は解決できないのかもしれない。
とはいえども少子化の中で輝く店舗も存在している。いわゆるシックスポケットを活かす業態である。子どもひとりに対して、両親・両祖父母の合計6人の財布が口を開いているわけなので、子供の健康や教育に良さそうなものは単純に売れる。ここで重要なのは子供が好きか?嫌いか?ではなく、財布の紐を開く側がお金を出したくなるデザインか?機能か?というところが重要になってくる。こどもが可愛らしいものが嫌いだとしても、お金を払うほうが可愛らしい、こどもにとって良いだろうと一方的に感じるものが売れる。この点を押さえた家具が兵庫県宝塚市の株式会社Nozの展開する「子育てをデザインする」をコンセプトとした家具ブランドHOPPL。HOPPLは「HOPE=希望」・「PIONEER=開拓」・「PLAY=遊ぶ」からなる造語で、子どもたちの未来に希望を与えること、子どもたちが自らすすんで考えること、子どもたちが楽しく遊べることをテーマにした、ベビー・キッズ向けのインテリアブランド。こどもは言葉を自由にしゃべれないので彼らが希望を感じたり、考えたり、楽しいと感じて遊べるかどうかは大人にはわからない。あくまでも大人目線でそうだというものを指していることになるであろう。
そういうコンセプトを掲げているブランドなのでさすがにデザインは秀逸。普通に可愛らしいデザインの机、椅子、ベッドなどを展開している。テイストは北欧家具をイメージした感じで、株式会社脇木工のmomo naturalシリーズにカラーや家具が持つ雰囲気は似ているが家具の形はバリバリのデザインもの。子供用のベッドの『べベッド』は世界三大デザイン賞「iFデザインアワード2022」を受賞しているくらいデザイン力のあるブランドである。そのホップルが3店舗目となる実店舗を横浜みなとみらいのみなとみらい東急スクェアに12月1日OPENする。本店、有明ガーデンにつぐ3店舗目となる今回の店舗では、来店者に使用イメージを掴めるように、子ども部屋に見立てたディスプレイブースも設置。北欧カラーで落ち着いた雰囲気にまとめられた店内では、他にもお出かけアイテムやおもちゃなど、ギフトにもぴったりの仕入れ雑貨も揃えているとのこと。みなとみらいはニューファミリーやカップルそしてティーンズが比較的多い場所。シックスポケットとなる祖父母、父母世代が訪れにくい場所でもある。みなとみらいという特殊な立地でどこまで活躍できるか?心配ではあるが今後を見ていきたい。以下、店舗概要と画像を株式会社Nozのプレスリリースから引用。
店舗概要
■店名 HOPPL TOWNみなとみらい東急スクエア店
■所在地 〒220‐0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-2
みなとみらい東急スクエア① 4F
■営業時間 11:00~21:00
■定休日 みなとみらい東急スクエアに準ずる
■電話番号 080-7014-9152
■オープン日 2022年12月1日(木)