モスバーガーの歴史を踏襲した新業態誕生
マーケティングの教科書で数十年前にモスバーガーとマクドナルトのマーケティング戦略の違いについて学ぶ機会がありました。マクドナルトはリーダーとして王道の戦略で人通りの多い場所に店舗をどーんとOPENさせ続け、テレビCMも積極的に行い資本を活かしたマーケティング戦略を打つ。他方でモスバーガーは生活動線上に出店し、出店費用を抑える。テレビCMなどもマクドナルドと比較すると枠数は控えめに効果を狙い打つ。いわゆるニッチャーとしての戦略を打つのがモスバーガー。株式会社モスフードサービスはこの度新業態を開業。新店舗はよりニッチになる方向性に舵を切っている。
モスバーガーの由来はもともとM-Mountain(山)、 O-Ocean(海)、S-Sun(太陽)の頭文字をとっています。 この「山・海・太陽」にはそれぞれ、「山のように気高く堂々と」「海のように深く広い心で」「太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って」という意味が込められているらしいが、今回の新業態はmosh Grab’nGo。モッシュという名前がモスバーガーの名称に似ているように思われるがモッシュはコンサートなどでの観客の“小躍り”にGrab(つかむ)、Go(行く)を組み合わせた店舗名称。この名称は創業者の櫻田 慧(さくらだ さとし)氏が命名したと言われています。
櫻田氏がもともと証券会社に勤務してロスアンゼルスに赴任していたときに決して好立地とは言えない場所にあったハンバーガーショップを見て、「本当においしいものを提供すれば、一等地でなくともお客さまは来てくれる。」という確信からモスバーガーを開発していったとのこと。もともとのマーケティング戦略はアメリカでの原体験から生まれたものだったようです。今回のモッシュアンドゴーに関しては超一等地の極小物件で勝負する業態になるとのこと。最初の店舗は広尾になるようでキッチン含め35坪の店舗となる。今回の店舗でもニッチ戦略は忘れておらず、チーズバーガー専門店になるとのこと。メニューを絞りニッチに振り、極小物件で勝負するこの新店はどう市場に受け入れられうかが楽しみ。
価格は現在のモスバーガーの1.5倍程度の若干プレミアムバーガーとなっている。バーガーキングなどと同等の価格といったところだろうか?一等地であれば十分に勝負ができる価格なのかもしれないが、この業態もしかしたら各都市の1番立地もしくは高級住宅街に絞った出店となる店舗になるのかもしれないと思わされた。間違った多店舗化がなされないよう祈る。以下、株式会社モスフードサービスのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
「#Burger01〈2種のチーズ〉」
600円/Jr.450円
チェダー・モッツアレラを使用した、伸びの良さと程よい旨みが心地良い最もシンプルなチーズバーガーです。カリッと香ばしく焼き上げた チーズの羽根と、芳醇にとろ~りとろけるダブル食感のチーズ体験ができます。
<新業態店舗 概要>
■店舗名:mosh Grab’nGo(モッシュグラブアンドゴー)
■グランドオープン:2022年11月29日(火)
■所在地:〒106-0047 東京都港区南麻布5-16-10
■アクセス:東京メトロ 広尾駅 徒歩2分
■営業時間:10:00~22:00(日祝は21:30まで)
■店舗面積:35.42坪(1階:18.15坪、B1階:17.72坪)
■座席数:1階4席、B1階16席