さらなる地域密着型無印良品の誕生
ここ数年、株式会社良品計画の無印良品が勝ちパターンを模索し続けている。超大型店舗の出店ラッシュで様々な都道府県に新たな形で無印良品を再構成して出店を続けてきた。その際の特徴的なものとしては各地域にあったものをつくり、地域に根ざすように努力をされている点。相当オペレーションも熟考されていらっしゃるようで大型店舗はセルフレジを導入したり、限りなく少人数でも回せるようにされていらっしゃる様子。しかし、それでも大型店舗の商品管理となるとそうは簡単ではありません。大量の商品を管理する人がかならず居ないといけませんし、デイリーで整理整頓をしなければなりません。たとえ賃料が売上歩合一本だったとしてもオペレーション自体が苦しくなっていきます。最適なサイズ感というのは取り扱い商品量と地域の需要に応じて変わってくるはずなので、そのあたりの分析と対応が難しいのではないかと思います。
今回はスーパーのコープさっぽろ そうえん店の2Fに新店をオープンされるとのこと。スーパーとなると難しいのが取扱商品。スーパーで取り扱っているものについては取り扱い出来ない場合が多いケースが散見されます。よくあるのがスーパーに併設されているドラッグストアで当初は冷凍食品や飲料などの日用品を扱っていたがある日突然扱わなくなった売り場を見たことがありました。協議の上で取り扱わなく成ったのだと思うのですが、ドラッグストアなどの幅広い商材を取り扱う店舗の場合はよくあることです。では、今回の無印良品はどうかというと冷凍食品を取り扱うとのこと。おそらく一般的な商材ではなく無印良品のオリジナル商品だからOKが出たのではないかと思います。無印良品の冷凍食品はユニークで「キンパ」、「もち麦ごはんの枝豆塩昆布おにぎり」、「チキンとほうれん草のキッシュ」、「塩こうじからあげ」、「国産黒豚肉入り餃子」など他では取り扱いがなさそうなものが目白押しなので、たしかにかぶらないし、一般顧客にとってもコープさっぽろに行くモチベーションも与えられるので良いのではないかと思います。
最近の無印の強みの地域密着性というところでいうと、北海道産の木材を活用した店舗内装。店内の内装や休憩スペースには北海道産の道南スギ、トドマツを使用して「ロゴサイン」「梁柱」「壁面の仕上げ」を施工したとのこと。今回の店舗は休憩スペースがあり、そこに無料の給水機をはじめ、無印良品のテーブルやソファ、インテリアブランドIDÉEのチェアなどをしつらえたラウンジスペース/コワーキングスペースとしてそこを開放するとのこと。多くの近隣の学生が自習室として活用したりするのではないかと思います。あらたなコミュニティのハブとして機能すると美しいですよね。あとは環境配慮も相当されるそうで、同社が販売している商品のプラスチック製品の回収、販売している衣料品の回収、保冷剤の回収などを行うとのこと。リサイクルステーションとしても地域から愛される存在になるのではないでしょうか?
地域密着型を模索しながら、無印良品にとっての最適解がどんな市場に対してどんなサイズなのかユーザーとしても知りたいところです。今回の出店を通じてさらなる地域社会密着型店舗が完成していくのではないかと思いました。以下、株式会社良品計画のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗名 無印良品 コープさっぽろ そうえん所在地 〒060-0010 北海道札幌市中央区北10条西23丁目1-1コープさっぽろ そうえん店2階オープン予定日 2022年10月27日(木)営業時間 10:00~20:00売場面積 474坪(約1,566㎡)