どんな場所でも商業の可能性はある
日本の住宅事情はいつからどんな変遷を遂げてきたのでしょうか?江戸時代の東京は世界1の人口を保有する大都会。その江戸では多くの単身者が出稼ぎで生計をたてていました。彼らが住んでいたのが長屋。江戸時代の江戸では火は無駄に起こさずエネルギーを効率的に使えていたという点ではSDGs的には素晴らしい大都会。火をおこすお風呂は銭湯というのが主流でした。その流れを組んで明治から昭和初期にかけて木造平屋建ての長屋でトイレ・風呂・台所が個別についた賃貸住宅が主流となっていきました。大正12年の関東震災後、震災に強い鉄筋コンクリートの集合住宅が建てられ始め徐々に木造平屋建ての賃貸はひとつ、またひとつと消えていきました。
今では木造平屋建の長屋形式の賃貸住宅は東京23区内ではほぼほぼみかけることがなくなっていきました。しかし、関東近郊ではまだまだ木造平屋建の長屋は存在しています。地区年月日も長くなっていき、それらの建物は賃料収入が見込みにくくなってきました。そんな中で埼玉県宮代町の中村建設株式会社は東武動物公園駅西口から徒歩15分程度の場所の長屋を大規模リニューアルし商業施設、セレクト横丁「ロッコ」をオープンするとのこと。6つの長屋を大改装して、全く新しい商業集積にリノベーションするとのこと。イメージパースで見る限り全く違う雰囲気になるようです。建物を白亜に塗り替え、間口を大きくとり、窓も新たに大きく広げ、新築のアウトレットの郊外型モールのような建物に生まれ変わるとのこと。
出店テナントは埼玉県宮代町近郊から集まった「世界的バリスタがいれるコーヒー店」「お茶屋が手がけるヨーグルト店」「地元で愛されている揚げ餅店」「老舗酒問屋のビストロ」が出店する予定。その他2店舗「シェアキッチン棟」では単発でも、定期的でも、手軽に自分のお店を開け、お料理教室やパーティなど、フリースペースとしての利用も可能。もう1棟の「あずまや」では週替わり/日替わりの貸し店舗として、企業のイベントに、地域の催事などに。さらにフリーマーケットやマルシェなどが開催可能。
もう終わっていると思われた建物でも、熱意と力とセンスがあれば素晴らしい商業施設に生まれ変わらせることもできる好事例。今後の中村建設株式会社の挑戦に注目。以下、同社のプレスリリースより画像と施設概要を引用。
施設概要 アクセス
〒345-0811 埼玉県南埼玉郡宮代町道佛1-8-12
・東武伊勢崎線「東武動物公園駅」西口から徒歩15分。
・駅西口から出る宮代町循環バスもご利用になれます。ロッコの目の前にあるバス停「道仏」下車すぐ。乗車時間は約10分。