売らない売り場が新たに生まれる
現在商業施設は2極化傾向が始まりつつある。1つは旧態然としたモデルともう一つは新技術を積極に取り入れていこうとするモデル。前者は足元の商圏から当該商業施設に必要なマーチャンダイジングを割り出して、必要とされるテナントミックスを誘致して商業施設を形成していく方法。もう一つの商業施設は新技術をとにかく取り入れて足元の商圏からではなく、ネットも含めて遠くからも顧客を集客しようとする方法。この方法の一部にネット通販も含まれるものの、ネット通販に関しては大手のデベロッパーの殆どが取り組んでいるので除外するものとして考える。
新技術を取り入れた店舗導入の走りがb8taを筆頭とする売らない店舗。この秋にはショーフィールドが原宿にオープンすると言われている。このRaaS(リテール・アズ・ア・サービス)と呼ばれるショールーム型店舗をいち早く誘致したのが株式会社丸井グループ(以下、丸井)。丸井ではそれに先駆け売らない店舗、自由に試着できる店舗を誘致していた。FABRIC TOKYOの店舗では採寸と試着。決済はオンラインで行うという売らない店舗を誘致。丸井は元々2010年代中盤から積極的にIT投資を行いながら、日本小売業協会にてCIO研究会を立ち上げたり、2020年にはリテール&ITリーダーシップフォーラムを開催するなどITのちからを信じ、投資してきた背景があった。
今回は、フードテック企業の株式会社フードテックキャピタルの店舗を新宿本館の1Fに誘致をしたという。パーソナライズ可能な新スイーツブランド『col.a.fruits(読み方:カラフル)』。『col.a.fruits』は、フルーツを使用したパーソナライズドリンクブランド。自分の好みのフルーツを選び、ベースドリンク、甘さやトッピングなどをカスタマイズすることが可能。さらに、パッケージボトルには名前の印字が可能。色、メッセージ、ロゴイメージをパーソナライズして楽しむことができ、世界に一つだけのオリジナルドリンクを作ることができるという。店舗での仕掛けも面白く、携帯電話で事前オーダーし、店舗に設置されたロッカーにQRコードをかざすことで受け取り可能。ロッカーはサイネージで彩られており、注文者がカスタマイズした内容に応じたオリジナルの動画が映し出される仕組み。注文者が選んだカラーにお店が染まる様子を是非写真や動画に収めて楽しんむこともできる。
この業態も決済はすべて事前にECで完了しており、店舗は受け取りの場所となる。マルイの売らない商業施設は今後ますます進んでいくのではないだろうか。店舗情報と画像を株式会社フードテックキャピタルのプレスリリースより引用。
店舗情報
店舗名称: col.a.fruits (カラフル)
オープン日:9月8日(木)
場所:新宿マルイ 本館1階
東京都新宿区新宿3丁目30−13
アクセス:東京メトロ 新宿三丁目駅 約1分、都営地下鉄 新宿三丁目駅 約2分、JR新宿駅 約5分
営業時間:11:00-20:00
ウェブサイト: https://col-a-fruits.com
注文サイト: https://col-a-fruits.the-label.jp/
公式Instagram: https://www.instagram.com/col.a.fruits/
公式TikTok: https://www.tiktok.com/@colafruits
公式Twitter: https://twitter.com/colafruits