今も息づく江戸の外食文化
日本のファーストフードといえばなにか?江戸時代の江戸は世界最大の人口を保有した都市。といっても今の東京のように家族が住んでいる街というよりも参勤交代の影響などもあり男性独身者が多く住む街だった。そのせいもあり、ファーストフード業態が次から次へと生まれる背景があった。江戸時代の江戸で生まれたとされているのが、立ち食いそば、立ち食い寿司などと言われている。北大路魯山人の著書にも戦後になって寿司は立ち食いから椅子にかけて食うようになったとあるように、寿司などは戦後までファーストフードであった。そもそもせっかちの江戸っ子にとってはほとんどの食べ物がファーストフードになってしまっていたのかもしれない。
寿司に関しては戦後、高級料理になっていき、回転寿司などもうまれていった。その過程で江戸時代からある伝統的な立ち食い寿司は今現在では、葛飾や大井町あたりの下町に数件残っているだけとなっている。他方で立ち食いそばはどうかというと今もまだ日本各地のビジネス街に数多くのこっている。早い、やすい、うまいという吉野家のキャッチフレーズのような立ち食いそばはナショナルチェーンだけではなく、各地域のローカルチェーンから、個人店まで幅広く存在している。
ナショナルチェーンだけではなく、電鉄系の飲食事業会社も多くが立ち食いそばの経営に進出している。JR系はJR系の私鉄系は私鉄系の立ち食いそば屋が存在しており、その沿線の駅に行かないと食べられないそばというものも存在している。電鉄系のそばで有名なのが株式会社小田急レストランシステムが運営している箱根そば。近年は沿線外のエリアにも進出している。箱根を沿線に持つ同社が箱根のブランドイメージを上手く展開して作り上げたブランドでもある。
今回、小田急千歳船橋駅の小田急マルシェ千歳船橋2にまた箱根そば千歳船橋店をオープンしたとのこと。席数7席の店舗となるが、乗降客数がそこまで多くもなく、乗り換え客も多くない、所謂住宅立地の駅でどこまで立ち食いそばへの需要があるか未知数。意外と単身者が多く、朝の需要と夜の需要で売上が担保できる土地なのかもしれません。藤子・F・不二雄氏も通ったと言われる箱根そばが千歳船橋でも多くの顧客から支持されることを期待しています。以下、株式会社小田急レストランシステムのプレスリリースより画像と店舗概要を引用。
店舗情報
店名 『箱根そば 千歳船橋店』
所在地 東京都世田谷区船橋一丁目9番地45号 小田急マルシェ千歳船橋2
席数 7席(全席立ち席)
営業時間 7:00~21:00(ラストオーダー20:45)
TEL 03-6413-0057
開業日 2022年9月1日(木) 7:00~