鉄道系商業施設開発のアプローチ | 商業施設ニュース
鉄道系商業施設のベースモデルは阪急電鉄の小林一三氏が近代に確立したと言われています。終着点の端を都心部と観光地その間を住宅地にしてウィークデーは朝は通勤、お昼は主婦のお買い物を都心部に向かわせる。週末は都心部ではなく観光地に向かわせるという鉄道経営と不動産のあり方を作り上げたモデルです。阪急の場合は都心部に阪急百貨店うめだ本店、観光地には宝塚歌劇団、温泉という布陣で上記のモデルが作り上がっています。
これを見習って小田急は新宿と箱根湯本。西武は池袋・新宿と西武ゆうえんち。浅草と東武動物公園・東武ワールドスクエア。京急電鉄は品川と油壺(現在は縮小)。という具合に各社お手本通りに商業と観光を組み合わせたモデルを作り上げています。これに当てはまらないのがJR系の電鉄経営もともと国営でしたので利用者増加や不動産経営まで考える必要性が薄かったことから私企業のような開発はなかなかなされていません。敢えてあげるのであれば新幹線利用促進で湯沢のガーラなどが観光地開発として挙げられるかもしれません。
そのJR系の商業施設が大阪で新規開業。JR西日本不動産開発株式会社が大阪環状線の寺田町駅直下に新規で商業施設を開発。1Fには株式会社ドン・キホーテのドン・キホーテ、2Fには名古屋で輸入車専門店から格闘技イベント開催そしてスポーツジム経営を行う株式会社志村ホールディングスの24時間営業のフィットネスクラブHEAT24を誘致。そもそも2013年にJR西日本グループがスタートさせた大阪環状線改造プロジェクトの一環で駅ごとに不足している機能を補うという青写真がありその青写真に合わせた開発とのこと。
寺田町駅は生活機能充実ゾーンとして開発計画を進め今回の開発で日用品から生活雑貨まで買い揃えられる機能を提供するとのこと。生活必需品から健康増進までワンストップで提供する機能型の商業施設になることと思われます。たしかにこの2つの店舗が駅ビルにあると利用者にとっては便利でこの上ない組み合わせかと思います。以下、JR西日本不動産開発株式会社のプレスリリースより画像と開発概要を引用。
■開発概要
計画地大阪市天王寺大道5丁目11-25
敷地面積1,992.28㎡
用途地域近隣商業地域
建蔽率・容積率80%・300%
構造・規模鉄骨造・2階建て
延床面積1,647.13㎡
駐輪場約140台
施設名称VIERRA寺田町
入居テナント
1F ドン・キホーテ(物販店舗)
2F HEAT24(フィットネスクラブ)
営業時間
午前10時~翌午前1時(ドン・キホーテ)
24時間営業(HEAT24)