特化型商業施設の可能性
商業施設にはリージョナル型、ネイバーフッド型、駅ビルなどさまざまな業態が存在していますが一昨年からその存在感を示しているのが野村不動産ホールディングス株式会社が展開しているGEMSとMEFULLシリーズ。延床15,000㎡前後の駅周辺立地(必ずしも駅前ではない)の極小地といっても良いほどの小さな敷地に10層前後のビルを建て1つのコンセプトでくくったテナントを集約した特化型商業施設。GEMSは飲食、MEFULLはサービスの集約ビル。コンパクトながら周辺住民、勤務者にとってかゆいところに手が届くちょうどよい地域密着型の都市型商業施設。
百貨店の商業形態から綿々と受け継がれてきた食品・惣菜販売、衣料販売、飲食店、映画館、書店のフルラインのリージョナル型商業施設やGMSの機能を抜き出して地域によりそう形のネイバーフッド型とは違う特定MDだけの切り出し、特定コンセプトだけの切り出しを行った商業施設で全国展開ができている商業施設は現時点で野村不動産株式会社が事業主として展開するGEMSとMEFULL以外に無いのではないでしょうか?ハレとケの商業施設から軸を変えて、生活者に寄り添い、生活者が楽しめる商業施設の創出に成功された良い事例になるのではないかと思います。
土地活用の観点から考えても1980年代、1970年代に建築され劣化していき新耐震基準を満たせない古いビルの敷地の次の活かし方という観点から考えてもこの特化型商業施設は可能性を秘めています。周辺のビルが既に立て直しされ周辺の土地をまとめることができなくなっているビルでも立て直ししテナントをいれる力があるコンテンツとなって行くブランドとして認知されていくのではないかと思います。
今回は藤沢で既存ビルをリニューアルしMEFULLに、巣鴨で新たに延べ床369坪のMEFULをOPENするとのこと。今後も田町と川崎で再来年に向けて開業を予定されているとのこと。この業態の課題としては乗降客数が一定数ある駅徒歩数分の立地を見つけることが難しいような気がしますが当てはまる土地さえあれば他店舗展開できる業態だと思われます。今後の野村不動産ホールディングス株式会社、野村不動産株式会社の展開には注目です。以下、野村不動産ホールディングス株式会社のプレスリリースより画像と施設概要を引用。
MEFULL藤沢について
MEFULL 巣鴨について