コナズ珈琲が越谷に出店する意味は「ハワイ」ではなく「滞在2時間の設計」にある
コナズ珈琲が「コナズ珈琲 越谷店」を2026年2月25日(水)10時にグランドオープンする。所在地は埼玉県越谷市東越谷9丁目6-1。営業時間は平日10:00〜22:00(L.O.21:00)、土日祝は9:00〜22:00(L.O.21:00)で、年末年始を除き原則定休日なしとされている。席数は店内88席(うちインナーテラス18席)に加えテラス12席、駐車場は28台。インナーテラス18席とテラス12席は愛犬同伴が可能で、来店時に渡されるガイドラインの遵守を条件としている。埼玉県内では6店舗目、全国では52店舗目という位置づけだ。
この出店ニュースを「新店が増えた」で終わらせると確かに平板になる。面白さの核は、コナズ珈琲がコーヒーやパンケーキの店というより、「長く過ごすこと」を価値として売上に転換する外食フォーマットである点にある。取材記事では平均滞在時間が約2時間とされ、混雑していても店内の客に退店を促さない運用が語られている。ここを押さえると、越谷店の箱の大きさ、席の多さ、時間制限を設けない方針、ペット同伴席の整備といった要素が、単なる“サービス盛り”ではなく「滞在を前提にした設計」として一本につながる。
「2時間」がどれほど特異かは、一般的なカフェ利用の感覚と比べると輪郭が出る。居住地別のカフェ利用調査(1017人)では、滞在時間の最多は「30分〜1時間程度」で約4割、次いで「1〜2時間程度」が約3割となっている。ここに対して平均2時間は、日常の“短時間休憩”よりも上のレンジに寄る数字だ。つまりコナズ珈琲は、回転を上げて客数を取りにいくカフェの文脈ではなく、滞在の満足度を上げて「来てよかった」を積み上げる文脈で戦っていると読める。
商業施設側の観点で見ると、この業態は「ついで」ではなく「目的地」にしやすい。越谷周辺は大型商業が強く、食の選択肢も厚い。そうした環境では、モール内の回遊導線で拾われる飲食よりも、店そのものが休日の行き先として選ばれることが価値になる。越谷店が駐車場28台を持ち、土日祝は9時から営業し、店内外にペット同伴席を確保するのは、まさに「家族単位の余暇消費を取り込む」ための仕様である。滞在を肯定する設計は、近隣の“選択肢過多”の中で差別化の芯になりうる。
リーシングの観点では、評価軸は「話題性」よりも「滞在が収益に変換される構造が再現できているか」に置くべきだ。平均滞在2時間という前提は、厨房・客席・待ち行列・案内オペレーションを含めた全体設計が噛み合って初めて成立する。回転を落とす代わりに、客単価の組み立て、滞在中の追加注文、物販、再来店の動機づけなどで帳尻を合わせる必要があるため、店づくりの質がそのまま数字に出る業態でもある。だからこそ「埼玉6店舗目」という面展開の局面に入っている点は、偶発的成功ではなく、運用モデルとして“回る”確度が高まっているサインとして読むことができる。
今後の注目点は三つある。第一に、越谷店がピーク時の待ち行列をどう捌き、長居を許容しながらも不満を生みにくい体験を保てるか。第二に、ペット同伴席を含む運用で、他の客層との共存をどこまでスムーズに実現できるか。第三に、近隣の既存店を含め、県内の店舗同士が商圏を食い合うのではなく、用途の違い(朝の使われ方、休日の家族利用、ペット帯同の比率など)で役割分担できるかである。越谷店は「ハワイ」を増やすニュースではなく、「滞在2時間を成立させる外食フォーマット」が、選択肢の多い商圏でどこまで強く機能するかを測る具体的なテストケースになる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【コナズ珈琲 越谷店 概要】
店舗名 :コナズ珈琲 越谷店
所在地 :埼玉県越谷市東越谷9丁目6-1
営業時間 :平日10:00‐22:00(L.O21:00)
土日祝9:00ー22:00(L.O21:00)
定休日 :なし ※年末年始を除く
席数 :88席(うちインナーテラス18席)、テラス12席
駐車場台数 :28台20251220_コナズ珈琲 越谷店_イメージパース






