商業施設は食品廃棄物とどう向き合うのか──「リエール藤沢」に見る食品リサイクル実装の現在
駅ビルや駅直結型の商業施設では近年、環境配慮や地域連携を軸にした取り組みが増えている。特に飲食テナントを多く抱える施設にとって、食品廃棄物や食品ロスへの対応は、コストやオペレーションの課題であると同時に、施設としての姿勢を示すテーマにもなっている。こうした流れの中で、JR藤沢駅に直結する商業施設「リエール藤沢」が実施する「藤沢、地のものフェア」は、商業施設における食品リサイクルの具体的な実装例として位置づけられる。
このフェアは、館内やJR東日本グループの施設から発生する食品廃棄物を、電力と農業の二つのルートで再資源化する「ダブルリサイクルループ」の考え方を背景にしている。食品廃棄物はバイオガス発電を通じて再生可能エネルギーとして活用される一方、発酵残渣は肥料となり、藤沢市内の農家による野菜栽培に用いられる。こうして育てられた野菜が再びリエール藤沢の飲食メニューとして提供されることで、施設内で発生した廃棄物が地域の中を循環し、「食」として戻ってくる構図がつくられている。
商業施設と食品リサイクルの関係を俯瞰すると、いくつかの実装パターンが確認できる。大規模郊外型施設では、食品生ごみをバイオガス化し、エネルギーとして活用する例がある。イオンモール豊川では、施設から発生する食品廃棄物をエネルギーへ転換する仕組みを導入し、脱炭素と廃棄物削減を同時に進めている。また、JR東日本グループでは、駅ビルや駅ナカ商業施設の食品廃棄物をバイオガス発電に回し、その電力を別の施設で使用する「電力リサイクルループ」を展開してきた。ペリエ海浜幕張などは、その具体的な展開先の一つとして知られている。
一方で、食品廃棄物をエネルギーではなく堆肥として循環させる事例もある。御殿場プレミアム・アウトレットでは、飲食テナントから出る食品残渣をコンポスト処理し、施設内外の緑化に活用している。さらに、ららぽーと各施設で行われているフードドライブのように、来館者を巻き込みながら食品ロス削減に取り組むケースもあり、商業施設が地域の食の課題に関与する形は多様化している。
こうした事例と比較すると、リエール藤沢の特徴は、食品廃棄物の「電力化」と「農業利用」を同時に成立させ、その成果を館内飲食として可視化している点にある。エネルギー循環、農業連携、地産地消を一体で構成することで、駅直結・日常利用型の商業施設が、地域循環の一端を担う存在であることを具体的に示している。この取り組みは、商業施設における環境施策が、単なる負荷低減にとどまらず、地域との関係性を再構築する手段となり得ることを示唆している。以下、株式会社JR東日本クロスステーションのプレスリリースから画像を引用。





