東京ドームシティ ラクーア「DELI&DISH」はなぜ“専門特化”を選んだのか──フードゾーン全体で粒度を揃えた理由を読む
東京ドームシティ LaQuaのショップ&レストラン1階に位置するフードゾーン「DELI&DISH」で、2026年2月より新規6店舗と移転リニューアル1店舗、計7店舗が順次オープンする。惣菜やスイーツを中心とした同ゾーンの更新は、単なる店舗追加ではなく、フードゾーン全体の性格を明確に再定義する動きとして捉えられる。
今回の構成で際立つのは、「多様化」ではなく「専門特化」を明確に選択している点である。おにぎり、鰻おむすび、クッキー、チョコレート、韓国惣菜、天然酵母パンといった具合に、各店舗はいずれも扱う商品領域を一点に絞り込み、「何の店か」が即座に理解できる設計となっている。総合惣菜やフルライン型飲食を置かず、あえて専門業態を集積することで、購入判断のスピードと回遊性を高める意図が読み取れる。
この判断は、東京ドームシティという立地特性と強く結びついている。東京ドームでのイベント開催日には来訪者が集中し、平日は近隣ワーカーや居住者の利用が中心となる。同一ゾーン内で来館目的や滞在時間が大きく異なるからこそ、「短時間でも迷わず選べる」「目的買いが成立する」専門特化型MDが有効に機能する。
また、フードゾーン全体で業態の粒度を揃えている点も重要である。価格帯や商品構成の幅を一定水準に保つことで、店舗間の競合を過度に生まず、複数店舗を使い分ける行動を促しやすくしている。移転リニューアルされる既存店を含め、ゾーン全体を一つの“持ち帰りインフラ”として再設計している構図が浮かび上がる。
今回の「DELI&DISH」の更新は、話題性のある新店を並べる施策ではなく、来館動線と購買行動を前提にしたゾーン単位の調整である。多様化よりも専門特化を選び、その粒度を揃えることで、日常と非日常が交差するラクーアの立地に適応させた点に、このリニューアルの本質がある。
フードゾーンとしての役割を明確に定義し直すことで、東京ドームシティ LaQuaの1階は、より「立ち寄る理由」が明確な売場へと更新されていく。以下、株式会社東京ドームのプレスリリースから画像を引用。


















