大阪の“新物”を売場で試す──なんばマルイで始まる、商業施設×新事業検証の実験場
公益財団法人大阪産業局は、2026年1月22日から27日までの6日間、大阪・難波の商業施設であるなんばマルイにおいて、在阪企業17社による合同ポップアップイベント「大阪新物商店街」を開催する。会場はB1Fおよび1Fの催事区画「カレンダリウム」で、前半(1月22日〜24日)と後半(1月25日〜27日)に出店者を入れ替える二期制として実施される。大阪で生まれた新商品・新サービスを「初物」ではなく「新物」として提示する点が特徴で、同局が進める新事業展開支援の活動の一環として位置づけられている。
商業施設の視点から見ると、本企画は売場更新の頻度と来館理由の創出を意識した構成である。なんばマルイは地下鉄なんば駅からの地下動線と地上からの回遊が交差する立地にあり、B1F・1Fのカレンダリウムは通過性の高いゾーンに位置する。その区画で会期中に出店者が入れ替わる設計は、短期間であっても「何度か覗いてみる理由」をつくりやすい。常設テナントだけでは難しい新規性の供給を、催事という形で補完することで、施設全体の鮮度を保つ狙いが読み取れる。
また、自治体・支援機関の事業と連動した催事である点も、施設運営上の意味は小さくない。大阪産業局が支援する企業を束ねた合同企画とすることで、施設側は個別に新規ブランドを発掘・編集する手間を抑えつつ、多様なジャンルの商品やサービスを一つのストーリーとして提示できる。結果として、来館者に対しては「大阪発の新しい挑戦が集まる場」という分かりやすい文脈を示すことができ、施設の情報発信とも親和性が高い催事となっている。
一方で、テナント側の視点に立つと、「大阪新物商店街」は単なる販売機会にとどまらない。運営にはGOB株式会社が関わり、本企画は大阪産業局が主催する「販売実践!新事業アップデートプログラム」の実地検証の場として位置づけられている。出店前には自社商品の価値やターゲットを整理し、売場での表現方法や顧客の声の拾い方を学ぶ講座が組まれ、催事販売後には振り返りとアップデートの工程が用意されている。売ること自体が目的ではなく、「なぜ売れたのか」「なぜ売れなかったのか」を現場で把握し、次の事業判断につなげるための設計である。
この構造は、新商品・新サービスを持つ中小企業にとって現実的な価値を持つ。卸や常設出店に進む前段階で、価格帯、見せ方、説明の順序、購買に至らない理由などを来館者の反応から直接確認できるためである。一方で、会期が短く、前後半で出店者が入れ替わることから、ブランド認知をじっくり積み上げる場ではない。そのため、テナント側には短時間で価値が伝わる売場づくりや、立ち止まりやすい導線設計が求められる。通過性の高いフロア特性を踏まえ、「説明しないと分からない新しさ」よりも、「見ただけで違いが伝わる新しさ」をどう表現するかが検証のポイントとなる。
商業施設とテナント、双方の視点を重ねると、「大阪新物商店街」は施設にとっては売場更新と来館動機を生む編集型の催事であり、テナントにとっては販路開拓の前段で仮説検証を行う実験の場であると言える。B1F・1Fという人流の集まる区画で、自治体支援と実地販売を組み合わせたこの取り組みは、短期的な売上だけでなく、次の展開を見据えた学習の場として機能する点に特徴がある。なんばマルイの催事空間と、大阪発の新事業が交差することで、施設側の売場更新と、出店企業の事業検証が同時に進む構図が浮かび上がっている。以下、株司会者GOBのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
会場:なんばマルイ B1F・1F カレンダリウム
住所:〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波3丁目8-9
期間:2026年1月22日(木)〜1月24日(土)/2026年1月25日(日)〜1月27日(火)
開催時間:11:00~20:00(※24日と27日は入替・撤収作業のため19:00終了)




