京都背脂醤油の人気店「ラーメン魁力屋」がイオンモール福岡に出店──九州エリアで存在感強める“非豚骨系”の新たな選択肢
京都発のラーメンチェーン「京都北白川 ラーメン魁力屋」が、福岡県糟屋郡のイオンモール福岡に新規出店する。九州では圧倒的に豚骨ラーメンの比率が高い中、背脂醤油というカテゴリーで支持を拡大してきた魁力屋にとって、広域商圏を持つ大型モールでの出店はブランド浸透をさらに後押しするタイミングとなる。
出店先となるイオンモール福岡は、福岡市東区・博多区・糟屋郡を広く商圏に抱えるリージョナル型施設であり、県内でも屈指の来館者数を誇る。周辺エリアは若年ファミリー層の増加が続き、週末の買物行動が定着している地区であることから、飲食店舗の回転性・収容力が強く求められる環境にある。広大な駐車場を備えた同モールの特性を踏まえると、フードコート共用席で運営される魁力屋の出店は、ピーク帯の滞留負荷を抑えながら高い集客を見込める点で施設側のニーズとも合致する。
魁力屋は2005年に京都・北白川で創業し、現在は国内171店舗を展開するチェーンブランドである。看板商品である「京都背脂醤油ラーメン」は、熟成醤油ダレと鶏ガラ・背脂を組み合わせたスープ、ストレート麺、薄切りチャーシューの構成が特徴で、あっさりしながらも厚みのある味わいが幅広い層に支持されてきた。九州ではロードサイド型店舗を中心に店舗数を伸ばしてきたが、モール内での存在感は依然伸びしろが大きい領域である。
福岡のラーメン市場は、地場の強い豚骨文化により他ジャンルの定着が難しいとされてきた。しかし近年では、買物やレジャーを軸としたモール来館者のニーズが細分化し、非豚骨系の需要も堅実に広がっている。特にファミリー層は、豚骨に限定されない“日常の一杯”を求める傾向が強く、魁力屋の背脂醤油はその受け皿として機能しやすい。加えて、同ブランドは焼きめしなどのサイド需要も大きく、複数人利用の満足度が高い点もモール環境との相性を高める要因となっている。
イオンモール福岡のフードコートは、全国チェーンを中心に稼働率の高い構成で、麺業態の回転も早い。今回の新店により、フードコートのラーメンカテゴリーは選択肢の幅がさらに広がることになる。福岡都市圏での非豚骨系ラーメンの定着をどこまで後押しできるかは、施設としての飲食戦略にも影響を与えうるポイントである。
魁力屋は海外1号店の成功も報じられるなど、ブランド自体が成長フェーズにある。今回のモール出店は、九州エリアでの存在感をさらに高め、来館客の食体験の多様化に寄与する動きとして注目される。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。
<イオンモール福岡店>
・住所 :〒811-2303 福岡県糟屋郡粕屋町大字酒殿字老ノ木192-1
・営業時間:10:00-21:00(ラストオーダー20:30)
・駐車場 :約5,200台
・席数 :フードコート内共用





