琵琶湖のヨシを編み込む「nuno ni shitai.」初の工房兼ショップ、高島市に11月22日開業
滋賀県高島市に、湖と人をつなぐ新たな拠点が誕生する。縫製職人による鞄・雑貨ブランド「nuno ni shitai.(ヌノニシタイ)」が、2025年11月22日、自社初の工房兼ショップを高島市今津町に開設するものである。場所はJR湖西線「近江今津」駅から徒歩数分、名小路商店街の通り沿いに位置し、店内で職人がミシンを踏む様子が見える開放的な空間となる。
同ブランドは、1975年創業の縫製専門会社オオミスタイルから2024年に誕生した自社ブランドである。代表の中矢佳希氏は同社で7年間修業を積み、2025年に独立。職人としての経験と地域資源を生かし、新会社ヌノニシタイ株式会社を設立した。縫製職人の技術を継承しつつ、地域と人を「布のようにつなぐ」ことを理念に掲げる。
ブランドを象徴するのは「三つ編みバッグ」である。持ち手部分の三つ編みは“つながり”を表現し、職人の手仕事と素材の温かみを感じさせるデザインとして支持を集めている。製品の素材には、琵琶湖で採れる葦(ヨシ)を原料にした「琵琶の葦布®」が使われており、環境と共生するブランドの姿勢を物語る。
琵琶湖の湖岸には葦原が広がり、地域では冬季に「ヨシ刈り」が行われてきた。これは環境保全の一環であり、翌年のヨシの健全な再生を促す営みである。刈り取ったヨシは粉砕され、和紙糸として加工される。マニラ麻や綿糸と組み合わせて織り上げられる「琵琶の葦布®」は、帆布のような強度と和紙特有の軽やかさを併せ持ち、使うほどに風合いが増す。湖の自然循環を守る素材として注目されており、高島地域発のサステナブルなものづくりを象徴する存在である。
オンライン販売から始まった「nuno ni shitai.」にとって、今回の工房兼ショップは初の実店舗となる。実物を見たいという顧客の声に応え、通りからも制作の様子が見える設計とした。中矢氏は「通りの人と目が合うような、開かれた工房にしたかった」と語る。かつてシャッターが目立った駅前商店街に新たな往来を生み、地域に活気を取り戻す拠点となることが期待される。
同社は、縫製工場の技術と地域資源を融合させた「地産地創」のものづくりを志向している。琵琶湖のヨシを活かし、地域で布を織り、職人が縫い上げるという一貫した生産体制を構築。人と自然、文化と技術が重なり合うブランドとして、今後の展開にも注目が集まる。以下、プレスリリースから画像と店舗概要を引用。
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nuno ni shitai. (ヌノニシタイ)
住所:滋賀県高島市今津町名小路1-6-5
電話番号:080-6380-7041
11月22・23日の営業時間:12:00?18:00 ※11月23日以降はInstagramにて
※商品の販売状況等により、営業日および営業時間は変動するためInstagramでご確認下さい






