ORIHICA、横浜ジョイナスに初のメンズ単独店 狭小区画対応の新モデルで都市型展開を強化
株式会社AOKIが展開するビジカジブランド「ORIHICA(オリヒカ)」は、2025年10月17日、横浜駅直結の商業施設「ジョイナス」地下1階に新店舗を開設する。ブランド初となるメンズ単独店舗であり、今後の駅ビルや地下街への展開を見据えたプロトタイプモデルとして位置づけられる。
ORIHICAは2004年に誕生し、AOKIグループの次世代型ブランドとしてビジネスとカジュアルを横断する「ビジカジ」を提案してきた。全国190店舗規模にまで拡大し、グループ全体では200店舗体制を目標に掲げる。近年は長野や仙台、福岡など地方都市への出店を進めつつ、都市圏では「レトロフューチャー」や「モダン&スマート」といった新デザイン店舗を導入し、刷新を加速させている。
今回の横浜ジョイナス店は、そうした再構築の象徴ともいえる出店である。約30坪という限られた面積に、ビジネス・ビジカジのメンズ商品を集約。スーツは店頭での採寸後に倉庫在庫を補正し自宅へ届ける「ウェブオーダーサービス」を採用し、在庫を持たない売場設計を実現した。ジャケットやシャツなど持ち帰り需要の高いアイテムを中心に陳列し、限られた空間での回遊性と効率性を高めている。これはEC・物流とリアル店舗を一体化する、AOKIのオムニチャネル戦略の具体化でもある。
また、AOKI本社の所在都市である横浜での出店は、グループの象徴的意味合いも持つ。ジョイナスは通勤・通学・観光客が交錯する高密度エリアであり、同ブランドが掲げる「ビジネスと日常の境界を軽やかにする服」という理念を体現する立地といえる。AOKIが銀座本店を「伝統と革新」をテーマにリニューアルしたのに対し、ORIHICAは“現代生活者のリアルクローゼット”を軸にした都市型モデルでグループのもう一方の柱を担う。
メンズ単独店舗という構成は、ターゲットを明確化し、購買データの精緻化や商品MDの検証にもつながる。スーツ市場が縮小傾向にある中で、ORIHICAがビジカジ特化に振り切る戦略を実店舗で可視化する試みといえる。今後、このジョイナス店での成果をもとに、同様の省面積モデルを他都市の駅ビルや地下街へ展開していく可能性が高い。
AOKIグループにとって横浜ジョイナス店は、単なる新店ではなく、ブランド再定義・業態刷新・DX統合を兼ね備えた「ORIHICA 2.0」の実証拠点である。200店舗構想に向けた実験店として、都市型ビジネスウェア市場における次世代モデルを提示する存在となりそうだ。以下、株式会社AOKIのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
【店舗情報】
店舗名: ORIHICA 横浜ジョイナス店
住所: 神奈川県横浜市西区
南幸一丁目4番 B1階
電話番号:045-577-0708
店舗面積:約30坪
営業時間:10:00~21:00