しまむらグループ、岡山県笠岡市に3業態同時出店 ― ハローズ笠岡モール内で生活密着型ゾーンを形成
株式会社しまむらは、岡山県笠岡市のハローズ笠岡モール内に、グループ3業態の新店舗を開設する。アベイル笠岡店とシャンブル笠岡店が10月15日に、ファッションセンターしまむら笠岡店が翌16日にオープンする予定であり、いずれも午前10時の開店となる。立地は同市富岡地区で、スーパーマーケット「ハローズ笠岡店」を核にした複合型モールへの出店である。営業時間はいずれも10時から19時までとなる。
しまむらグループが同一モール内に3ブランドを同時展開するのは、商圏内での需要補完を狙った構成である。中心となる「ファッションセンターしまむら」は、全国約1,400店を展開する総合衣料チェーンで、地域密着と低価格の両立を特徴とする。一方、「アベイル」は1990年代に誕生したヤングカジュアル業態で、10〜30代のトレンド志向層をターゲットとし、SNS連動やキャラクターコラボなど感度の高い商品展開を進める。「シャンブル」は生活雑貨とレディースファッションを組み合わせたライフスタイル業態で、30〜50代女性を主な顧客層とする。これら3事業を同一敷地に揃えることで、ファミリー層から単身女性までを幅広くカバーし、「家族で来て家族で買う」購買動線を完結させる狙いがある。
出店地となる笠岡市は、岡山県南西部に位置し、広島県福山市と隣接する。人口は約4万人と県内では中小都市規模にあたり、高齢化率が高い一方で、福山方面からの生活圏流入を持つ商圏でもある。立地する富岡エリアは、幹線道路沿いで車来店が中心となる商業集積ゾーンであり、24時間営業のハローズ笠岡店が日常消費を支えている。そこにアパレルと雑貨業態を組み合わせることで、モール全体の回遊性と滞在時間を高め、生活必需型施設から生活提案型施設への進化を図る構成といえる。
しまむらグループは近年、アプリを軸としたOMO戦略「しまむらパーク」を始動し、購買履歴に基づく再来店施策を強化している。今回の出店においても、アプリ会員施策を通じて地域顧客の定着を狙うなど、デジタルとリアルを結び付けた運営体制を敷く見通しである。人口減少や購買力縮小の進む地方都市において、複数業態を一体展開するモデルは、商圏を囲い込む新たな出店様式として注目される。
笠岡モールへの3業態同時出店は、生活者の日常動線に密着しながら、グループ全体のブランドポートフォリオを活用した「地域完結型リテールモデル」の具現化といえる。地方都市における商業集積のあり方を探る上で、今後の成果が注目される事例である。以下、株式会社しまむらのプレスリリースから店舗概要と画像を引用。
●しまむら笠岡店
営業時間:10:00~19:00
住所 :岡山県笠岡市富岡239
●アベイル笠岡店
営業時間:10:00~19:00
住所 :岡山県笠岡市富岡240-1
●シャンブル笠岡店
営業時間:10:00~19:00
住所 :岡山県笠岡市富岡240-2