京王プラザホテルに「THE UKAI とうふ屋(仮称)」開業へ──ホテル内直営日本初、豆腐文化を発信する拠点に
東京・神奈川を中心にレストラン事業を展開する株式会社うかいは、京王プラザホテルと共同で新規レストラン「THE UKAI とうふ屋(仮称)」を2026年12月に開業する。ホテル内におけるうかいの直営店はこれが初となり、同社にとって新たな事業展開の節目となる。
京王プラザホテルは1971年の開業以来、「広場=プラザ」の創造を理念に掲げ、国内外からのゲストを受け入れてきた。2024年度には宿泊者約64万人を記録するなどインバウンド比率の高さも特徴であり、日本文化を発信する拠点としての役割を果たしてきた。その中で今回の出店は、同ホテルの直営和食店舗の閉店に伴う大きな転換点でもある。2026年1月に懐石蒼樹庵、和食かがり、日本酒バー天乃川を営業終了し、うかいブランドを導入することで、新宿のランドマークホテルとしての差別化を強める狙いがある。
新店舗は本館2階、約1,043㎡という大規模空間を活用し、うかいが培ってきた「とうふ屋うかい」の知見を基盤とする。自社工場で国産大豆を厳選し、職人が丁寧に仕上げる自家製豆腐を中心に、朝・昼・夜すべての時間帯で提供。特に朝食はホテル内直営初の試みであり、宿泊客の滞在価値を高める要素となる。また、サロンエリアを設けてお酒や小菓子も用意し、滞在中の多様なシーンに対応する。
空間デザインは「二面性」をテーマに、母屋や離れ、坪庭といった日本的要素を取り入れながら、和モダンな様式で構成。伝統と革新、安らぎと活気を融合させ、ホテルが掲げる「広場」のコンセプトと共鳴する設えとなる。単なる飲食店にとどまらず、文化的な体験価値を提供する場を目指す。
今回の出店には「東京 芝 とうふ屋うかい」のDNAを引き継ぐ意味合いもある。2026年春で営業を終える芝店は長らく都心における代表的な拠点だったが、新宿に新たな旗艦的店舗を構えることで、国内外の利用者に改めて「日本の食文化を体験する場」を提示することとなる。
新宿西口エリアでは再開発が進み、インバウンド需要の拡大が見込まれる中で、京王プラザホテルにおけるうかいの進出は、地域の商業・観光環境においても注目を集める。老舗ホテルと老舗和食ブランドの融合は、都市型ホテルにおける日本食の新たな発信拠点として、今後の動向が期待される。以下、株式会社うかいのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
京王プラザホテル内の新規出店の概要
■店舗名:(仮称)THE UKAI とうふ屋
■業態:豆腐をメインにした和食レストラン
■所在地:東京都新宿区西新宿2-2-1 京王プラザホテル本館2階
■オープン時期:2026年12月(予定)
■予定出店面積:1043.73㎡ (315.72坪)