エスパル山形に「タリーズコーヒー&TEA」山形県初出店──紅茶市場開拓で新たな集客力を模索
仙台ターミナルビルが運営する「エスパル山形」に、タリーズコーヒーが展開する紅茶特化型業態「タリーズコーヒー&TEA」が10月29日にオープンする。山形県内初出店となる同店は、コーヒーチェーンの枠を超え、紅茶を主役に据えた業態として注目される。
タリーズコーヒー&TEAは、伊藤園傘下にあるタリーズコーヒージャパンが紅茶市場への対応として立ち上げたブランドで、コーヒー主体の既存店との差別化を図るもの。店舗では、産地で直接調達した茶葉を使用し、鮮やかな赤い水色が特徴の「マラウイ」や、ダージリンといった産地茶のほか、フルーツを合わせたバリエーションティーなど15種類以上をラインアップする。さらに、東京・代々木上原の人気ブーランジェリー「Main Mano(マンマーノ)」のスイーツを組み合わせることで、滞在時間を意識したティータイム提案を行う。
出店先となるエスパル山形は、山形駅直結という利便性から通勤通学客や観光客を取り込むハブとして機能してきた。地元特産品やみやげ物、ファッション、飲食までを揃えた同施設にとって、紅茶業態の導入は新たな集客動線の創出につながる。山形市内にはスターバックスやドトールなど既存カフェチェーンが展開しているが、紅茶を主軸にした全国チェーンの進出は珍しく、競合との差別化を明確に打ち出せる点も特徴といえる。
国内カフェ市場はコーヒー需要が圧倒的に大きいが、紅茶は女性を中心に安定した支持がある。健康志向やリラックス需要が高まる中、紅茶の多彩な楽しみ方を訴求するタリーズコーヒー&TEAの業態は、都市型商業施設で新しい顧客層を呼び込む実験的な役割を担ってきた。山形における今回の初出店は、地方都市における紅茶市場の開拓を象徴するものであり、施設側にとっても話題性の高いテナント導入といえる。
エスパル山形における営業時間や導線も考慮し、早朝から夜まで幅広い利用が見込まれる。通勤時のモーニング需要から買い物客や観光客のティータイム利用まで、多様なニーズに応えることで、商業施設全体の回遊性強化に寄与すると期待される。今後、同業態の展開が地方都市へどのように広がるかは、商業施設関係者にとっても注視すべき動向となる。以下、仙台ターミナルビル株式会社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。