東急モールズデベロップメント、横浜・関内「BASEGATE」商業エリア運営を受託──共同事業の中で異例の役割分担
横浜市旧市庁舎街区の再開発として進められている大規模複合プロジェクト「BASEGATE横浜関内」が、2026年3月19日に開業を迎える。その商業エリアについて、三井不動産を代表企業とする共同事業体が発表した中で、東急モールズデベロップメント(以下TMD)がプロパティマネジメント業務を受託することが明らかになった。
当事業は、2019年に横浜市が公募した旧市庁舎街区活用事業のプロポーザルで、三井不動産をはじめ、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、DeNA、東急の7社が事業者に決定したものである。街区はJR関内駅前・横浜スタジアム隣接という好立地に位置し、全体でエンターテインメント、オフィス、商業を一体化した大規模ミクストユース型の都市開発となる。
商業エリアは約20,550㎡に55店舗が入居予定で、常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE supported by 大和地所」やエデュテインメント施設「ワンダリア横浜」(いずれもDeNAグループ運営)、飲食ゾーン「スタジアム横バル街」、スーパーマーケットや飲食店群で構成される。観光、スポーツ観戦、地域の日常消費が交差する関内の特性を活かした複合的な商業空間となる計画だ。
今回注目されるのは、共同事業の中でTMDが商業エリアの運営を担う点である。三井不動産グループには自社の運営子会社(三井不動産商業マネジメント)が存在するが、あえて東急に委ねられたのは共同事業体としての役割分担を重視した結果と見られる。三井不動産が全体統括を担い、DeNAがアリーナや体験施設を運営、そしてTMDが商業エリアを受け持つという分業構造で、各社の強みを活かした協働体制が形成された。
TMDはこれまで二子玉川ライズやたまプラーザテラス、グランベリーパークなど、東急沿線を中心に自社案件を多数運営してきた。沿線外かつ他社主導の再開発案件において運営業務を受託するのは、極めて異例といえる。自らを「商業企画PM会社」へと進化させる方針を掲げている同社にとって、本件はその成長戦略を示す象徴的なケースとなる。
横浜都心の関内エリアは、周辺にワールドポーターズや赤レンガ倉庫、ランドマークプラザなど観光・集客型の施設群がひしめく中で、これまでややビジネス街的色彩が強かった。そこに横浜スタジアム隣接の立地を活かした「スポーツ×エンタメ×飲食」という新たな組み合わせが加わることで、既存の商業地図に対して差別化された役割を果たすことが期待される。
共同事業としての公平性を保ちながら、他社グループのPMを東急が担う今回の決定は、業界にとっても大きな意味を持つ。TMDが沿線外でどのようにブランド力と運営ノウハウを発揮するか、そして関内の都市ブランドをどう高めていくかは、今後の注目点である。以下、株式会社東急モールズデベロップメントのプレスリリースから画像と概要を引用。
商業エリア概要
開業予定日:2026年3月19日(木)
店舗数:55店舗
営業面積:約20,550㎡
所在地:神奈川県横浜市中区港町1丁目1番1ほか
交通アクセス:JR根岸線「関内」駅徒歩1分、横浜市営地下鉄ブルーライン「関内」駅徒歩1分、
横浜高速鉄道みなとみらい線「日本大通り」駅徒歩7分
URL:https://basegate-yokohama-kannai.com/