高知発「四万十ドラマ」、阪神百貨店梅田本店に初出店 しまんと地栗を武器にスイーツ激戦区へ挑む
高知県四万十町を拠点に地域商社として活動する株式会社四万十ドラマが、阪神百貨店梅田本店地下1階食品フロアに新店舗を開く。オープンは2025年10月15日で、同社が展開するブランド栗「しまんと地栗」を使ったモンブランや和菓子を揃える。関西圏での常設店は初となり、梅田の百貨店食品フロアという全国でも屈指のスイーツ激戦区に挑むことになる。
四万十ドラマは1994年に四万十川中流域の第三セクターとして誕生し、2005年に民営化。地元の農産物を活用した商品開発や道の駅の運営で地域資源の価値を高めてきた。主力商品の「しまんと地栗」は大粒で甘みが強く、全国平均の栗よりも大きなサイズを誇る。かつては年間500トン以上の生産があったが、現在は30トン程度にまで減少。農家の高齢化や担い手不足を背景に、ブランド化や植樹活動を通じて栗産業の存続に取り組んできた。
今回の阪神百貨店出店は、その取り組みを都市商圏で試す大きな機会となる。看板商品は「しまんとプルミエモンブラン」。栗と砂糖だけで仕上げたペーストを1ミリの極細で絞り、生クリームと渋皮煮を合わせた一品である。さらに、もちもちの餅と栗あんを組み合わせた「くりもち」など、四万十の食材を前面に出した商品を揃える。
梅田のデパ地下は阪急・大丸を含め全国的に知られる菓子ブランドの集積地であり、モンブランを看板とする有名店も多い。特に秋は栗スイーツが最も売れるシーズンで、催事や限定出店も数多い。四万十ドラマにとっては「しまんと地栗」の個性をどのように際立たせるかが競争の鍵となる。丹波栗など関西発のブランド栗との比較も消費者の関心を集めるだろう。
また、阪神百貨店梅田本店は国内外の観光客や通勤客が行き交う拠点であり、インバウンド需要の取り込みも期待される。地元の味覚を都市部で発信する今回の試みは、地方発ブランドが全国的な知名度を高める上で注目すべき事例である。地域の資源を背景としたブランドが、都市の消費地でどのように支持を得るかが試される。
四万十ドラマはこれまでも「新聞ばっぐ」に代表される地域資源を活かした企画や、無添加製法の商品開発で全国的な評価を得てきた。今回の常設店進出によって、四万十という小さな地域の取り組みがより広く知られる契機となりそうだ。梅田での挑戦は、地方創生と百貨店食品フロアの活性化をつなぐ新たな実験として注目される。以下、株式会社四万十ドラマのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
![]()
![]()
![]()
店舗概要
店名:四万十ドラマ 阪神梅田店
開店日:2025年10月15日(水)10時
電話:06-6345-1201(代表)
住所:〒530-8224 大阪府大阪市北区梅田1丁目13番13号
阪神百貨店梅田本店 地下1階阪神食品館
アクセス:阪神「大阪梅田」駅から徒歩約1分
営業時間:午前10時~午後8時