ウィング久里浜に「成城石井」出店 横須賀市初進出で食品強化へ
京急グループの株式会社京急百貨店が運営する「ウィング久里浜」に、9月25日、成城石井が新たにオープンする。横須賀市内では初出店となり、駅直結の立地を活かした日常利用と高付加価値食品需要の双方を取り込む狙いがある。
成城石井は「『SEIJO ISHII』には『OISHII(おいしい)』がある」を掲げ、世界各地や国内からバイヤーが直接選び抜いた食品やワイン、自家製惣菜などを展開する高付加価値型スーパーマーケットである。全国に約200店舗を展開しており、都心ターミナルや百貨店、駅ビルを中心に拡大してきたが、近年は郊外駅ビルや生活密着型商業施設への出店も進めている。
ウィング久里浜は京急久里浜駅直結という利便性を強みに、食品、日用品、ファッション、飲食など53店舗を構える地域密着型の商業施設である。核店舗の京急ストアに加え、成城石井が加わることで食品分野の選択肢が広がり、施設全体の集客力向上につながるとみられる。特に横須賀市は人口約37万人の都市であり、住宅地としての需要に加え、米軍基地や自衛隊関係者の存在も地域特性となっている。高齢化が進む一方、駅前で「ちょっと良いモノ」を求める中高年層や、利便性を重視する働く世代にとっても、成城石井の強みは響きやすい。
周辺にはイオン久里浜店や久里浜商店街といった商業拠点があり、既存の食品スーパーとの競合も想定される。しかし、成城石井は価格競争に依存しない高付加価値路線で、輸入食品やオリジナル商品を強みに差別化を図る。イオンや京急ストアがデイリー消費を担い、成城石井が「嗜好品やご褒美需要」を担うという棲み分けが成立しやすい立地といえる。
今回の出店は京急グループにとっても施設価値を高める取り組みであり、地域住民の生活利便性を高めるとともに、新しい来店動機の創出を狙う。全国的にも郊外駅ビルや中規模商業施設への成城石井の出店が相次いでおり、都市型から生活圏型へと拡大するブランド戦略の一環と位置づけられる。
横須賀市内における初出店となる今回の動きは、地域商圏に新たな消費スタイルを提案し、駅直結商業施設の食品分野強化というトレンドを示す事例となりそうだ。以下、株式会社京急百貨店のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
9月25日(木)ウィング久里浜に【成城石井】がオープン!について
オープン日 : 2025年9月25日(木)10:00より
営 業 時 間 : 10:00~22:00
場 所 : ウィング久里浜2階(駅改札口正面)