「100年先のライフスタイル」を編む都市型商業施設──ニュウマン高輪、South・Northエリアが9月12日開業
都市と生活者の関係性を問い直す、新たな商業施設が2025年秋に誕生する。9月12日、JR高輪ゲートウェイ駅直結の再開発エリア「TAKANAWA GATEWAY CITY」内に開業するのが、ルミネ史上最大規模となる「ニュウマン高輪」South・Northである。延床面積は約44,000㎡、約170店舗が出店する予定で、ルミネがこれまで培ってきた駅ビル型商業の集大成にして、まったく新しい次元の「都市型モール」がここに姿を現す。
本施設の最大の特徴は、単なるテナント集積にとどまらず、**“100年先の生活価値を共創する”**というビジョンに基づいたコンセプト設計にある。施設全体は「五感を刺激する空間」「人とデジタルの共創」「地域と地球のサステナビリティ」「多様性を包摂するまちづくり」「文化の編集と再提示」という五つの価値観によって編まれており、その実装が空間・サービス・MDに至るまで徹底されている。
全体設計は建築家・大野力氏(sinato)が担当し、かつて海に面していた高輪の地形を「入江」に見立て、8つの吹き抜け空間を核に緩やかにつながる空間構成を設計。「COVES」と名づけられたこの設計コンセプトは、施設内で過ごす時間が“海辺を散策するような体験”となることを意図している。館内のサウンドスケープは音楽家・斉藤尋己氏が担当し、日本の自然音や歴史を織り込んだ音空間が、感覚の奥行きを与える。香りにはアットアロマ、サイン計画にはcentre Inc.が関わるなど、空間を五感で編集するクリエイティブが導入されている点も特筆に値する。
さらに、施設の“インフォメーションカウンター”は単なる案内所ではなく、生成AI「GBase SUPPORT」(Sparticle社)とルミネコンシェルジュによる人間らしい接客を融合した進化型カウンターとして構成されており、リアルとデジタルの融合による感動体験の提供を志向している。地域の文化資産である高輪築堤の素材を再利用した設えや、多言語・多文化対応のサービス設計など、施設全体に“場所の記憶”と“次代の視点”を掛け合わせた構成が貫かれている。
こうした施設思想の中で展開されるテナント群もまた、その意志に呼応している。ユナイテッドアローズやドゥロワーは、都市型ラグジュアリーの文脈で高輪らしい洗練を提示し、中川政七商店は地域工芸の再編集と文化体験の拠点として、またBASIC AND ACCENTは個人の感性を尊重するライフスタイル提案型ショップとして、それぞれ独自の切り口で「体験価値」を提案している。
ニュウマンは、新宿・横浜など既存施設でも“都市と個人をつなぐ感性型モール”としての立ち位置を確立してきたが、高輪ではさらにその次段階に踏み込む。共創・循環・感性・包摂──こうした言葉がリアリティを持って施設全体に反映される今回の開発は、都市型商業の未来像を示唆するものとして、多くの関係者に注目されている。
単なる購買空間ではなく、都市の玄関口で“これからの暮らし”を編集・提示する場。それが「ニュウマン高輪 South・North」である。株式会社ルミネのプレスリリースから画像を引用。