ニシキヤキッチン、イオンモール仙台上杉に宮城6店舗目を出店──レトルト食品専門ブランドの新たな常設拠点
レトルト食品専門ブランド「ニシキヤキッチン」(株式会社にしき食品)は、2025年10月8日、仙台市青葉区に開業する「イオンモール仙台上杉」1階に新店舗をオープンする。宮城県内では6店舗目、イオンモールへの出店としては名取店に続く2店舗目となる。
ニシキヤキッチンは「世界の料理を『カンタン』に。」を掲げ、レトルトカレーやスープ、パスタソースなど約120種類の商品を展開する専門ブランドである。かつての自社ブランド「にしきや」から、2021年に新たにブランド転換を図り、従来の“レトルト”のイメージを覆す食の提案力で支持を広げてきた。
近年の商業施設において、レトルトやフリーズドライといった“保存性と手軽さ”を両立する高付加価値食品への関心は高まっており、とりわけ家庭内食の質的向上を求める共働き世帯や子育て層を中心にニーズが拡大している。今回の出店も、そうした背景を踏まえた動きといえる。
ニシキヤキッチンのイオンモール出店は、2025年4月の名取店が先行しており、開店初日には100人超の行列、5日間で約4,000人の来店客を集めた実績を持つ。今回出店するイオンモール仙台上杉は、「あたらしい街ナカぐらし」をコンセプトとする都市型商業施設であり、立地特性としても日常利用を意識した高頻度来館が想定される。そうした施設の方向性と、「日常を豊かにする食」をコンセプトに持つ同ブランドの親和性は高い。
商品構成は、レトルトカレーやスープ、パスタソースなどの主力ラインに加え、小さな子どもを対象とした「キッズシリーズ」など、多様なライフスタイルに対応したラインナップを取り揃える。ギフト需要にも対応し、常設店ながら単なる物販の域を超えた“提案型食品店舗”としての存在感が特徴である。
商業施設内において、ニシキヤキッチンが担うのは単なる「持ち帰り用食料品売場」ではなく、家での食体験そのものを設計する“キッチン代行”としての位置付けである。これは、同様に保存食品を扱うアマノフーズや久世福商店、無印良品などが築いてきた市場の流れと軌を一にしつつも、「専門性」と「調理視点」において一線を画す。
地域密着の食品メーカーとして出自を持つにしき食品が、商業施設内にブランド拠点を持つ意義は大きい。単なる販売チャネルではなく、顧客との接点としての“場”を持つことで、消費者の食卓への浸透をさらに推進できる点が挙げられる。
イオンモール仙台上杉の開業にあたって、地元発ブランドとしてのプレゼンスを高めながら、今後の出店戦略における都市型モールでの展開モデルとなる可能性もある。既に注目度が高い同ブランドの動向は、今後のフード系テナント戦略の参考としても一考に値する。以下、株式会社にしき食品のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
〈店舗概要〉
・店舗名:ニシキヤキッチン イオンモール仙台上杉店
・所在地:981-0914 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町1-1
イオンモール仙台上杉1F
・営業時間:10:00〜21:00