アトレ大森に「マクドナルド」「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が新規出店、利便性と回遊性を高める戦略的2店舗
JR大森駅に直結する駅ビル型商業施設「アトレ大森」に、2025年8月、マクドナルドとクリスピー・クリーム・ドーナツの2店舗が新たに加わる。駅改札口に隣接する西口エントランスエリアと、3階のカフェゾーンにそれぞれ出店する構成は、利用者の生活動線に密着した配置となっており、施設全体の利便性向上と飲食回遊性の強化が図られる。
今回の出店で注目すべきは、両ブランドの立地の取り方にある。マクドナルドは山王西口の3~4階にまたがり、朝6時から深夜まで営業予定。駅改札目の前という立地から、通勤・通学時間帯のモーニング需要から、夜間の軽食利用まで幅広く対応する。マクドナルドがこのように駅直結施設に出店するケースでは、単なるフード提供に留まらず、滞在型の客層にも対応した座席構成が求められる。今回も複層展開により、テイクアウト・短時間利用とイートイン・長時間滞在の双方を見込んだ設計が想定される。
一方、クリスピー・クリーム・ドーナツは、アトレ大森3階の駅コンコースとつながるカフェ・軽飲食ゾーンに配置され、営業時間は10時から21時まで。看板商品「オリジナル・グレーズド®」を軸にギフト需要にも応える構成となっており、手土産・帰宅時のちょっとした買い物ニーズへの対応が期待される。オープン時には数量限定の記念ボックスや、購入者向けクーポンといった販促施策が計画されており、初動の集客とリピート促進の両面に配慮が見られる。
アトレ大森はもともと乗降客数13万人超を抱えるJR大森駅に直結しており、通勤・通学・居住の3要素が重なる都市型中規模施設である。駅周辺では再開発によりオフィスビルと住宅の供給が進み、利用者属性も多層化が進む中、朝・昼・夕すべての時間帯に応えるテナントの導入は、施設の生活密着型ポジションを強めるものといえる。
また、従来よりアトレ大森ではファッション・雑貨・食物販を軸とした女性中心のテナント構成が主流であったが、今回の出店によって“利便性に特化した飲食導線”が強化されることで、商業施設全体の回遊性向上と、高頻度利用者の獲得に寄与するだろう。
大森駅エリアでは、近接する駅ビル「RaRa」やイトーヨーカドーなども含め、飲食店舗の競争が激化している。そうした中、全国規模で認知される2ブランドを要所に配置した今回の施策は、施設間競争における「日常動線の確保」という明確な狙いが読み取れる。
今後もアトレ各館では、駅直結という特性を活かしながら、通勤客や地域住民との接点を深めるテナント構成が鍵となる。今回の出店がその成功事例としてどう定着していくか、注目される。以下、株式会社アトレのプレスリリースから画像を引用。