りんくうプレミアム・アウトレットがフードコートを25年ぶりに全面刷新 全国的潮流に即した「食の再編」で施設価値を再定義
開業25周年を迎えるりんくうプレミアム・アウトレット(大阪府泉佐野市)が、2025年7月より大規模なテナント再編を実施する。中でも注目されるのは、開業当初から続くフードコート「World Gourmet Junction」を25年ぶりに刷新し、新たに「RINKU FOOD PARK」として生まれ変わる点である。全国の商業施設でフードコートの再定義が進む中、関西随一のシーサイド型アウトレットとして、食空間のアップデートに踏み切った。
今回の「RINKU FOOD PARK」では、たらこスパゲッティ発祥として知られる「壁の穴」、京都発の肉定食専門「京都サカイ」、スイーツ充実の「チャールストンクレープ」など、合計8店舗が集積。郷土色・話題性・専門性のバランスが取れたラインナップが特徴である。フードコート自体の名称変更に加え、店舗構成・空間設計も刷新され、従来のイートイン型から“滞在を楽しむ体験型の食空間”への転換が図られている。
この流れは、全国的に見ても明らかだ。都市部では日本橋「COMMISSARY」など、セントラルキッチンを併設したフードホール形式が台頭。地方モールではウッド調内装やキッズエリアを備える高付加価値型フードコートが増加し、さらに近年では高価格帯メニューやライブキッチン、サステナブル対応などを打ち出す施設も登場している。フードコートは今、単なる低価格の集合飲食から、顧客滞在を促す“価値訴求型コンテンツ”へと進化しつつある。
りんくうではこうしたトレンドを踏まえ、食空間の戦略的リニューアルを核に、アウトレット全体の魅力強化を狙う。7月からは、アウトレット常設初の「Mark & Lona」や、高感度層を意識した「Jil Sander」などの新規出店も控えるが、あくまで主役はフードコートの構造的刷新である。特に「Shake Shack」の関西アウトレット初進出は、飲食ゾーン全体の注目度を底上げする導火線となるだろう。
開業25周年という節目で実施される今回の取り組みは、単なる店舗追加に留まらず、施設としてのポジショニング再定義とも言える。関西国際空港至近という地の利を活かし、訪日客・地元客・観光客のすべてを取り込む“シーサイド型プレミアムアウトレット”の再構築が今、動き出している。以下、三菱地所・サイモン株式会社のプレスリリースから画像を引用。