御殿場プレミアム・アウトレット、25周年の節目に大規模リニューアル HILL SIDEを中心に新ブランドが続々登場
日本国内のアウトレットモールの中でも圧倒的なスケールとブランド力を誇る御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県御殿場市)が、2025年7月の開業25周年を機に大規模なリニューアルを実施している。三菱地所・サイモンが手掛ける同施設は、2000年の開業以来、累計延べ来場者数2億3千万人以上を記録。現在では約290店舗を構え、富士山を背景に温泉やホテルを併設する滞在型ショッピングリゾートとして、国内外から高い支持を集めてきた。
今回のリニューアルは、2020年に増設された「HILL SIDE」エリアを中心に、2025年4月から8月末にかけて新たに18店舗を段階的に導入するもの。中でも注目されるのは、アウトレットモール常設初出店となる「Maison Special」「Ambush®」「Patou」「Topologie」などの7ブランドである。さらに「Maison Kitsuné」「Fred Perry」といった高感度ブランドのプレミアム・アウトレット常設初出店も実現し、施設全体のラインナップに厚みを加えている。
背景にあるのは、「価値ある時間を提供するショッピングリゾート」を目指す明確なビジョンだ。御殿場はこれまでも、買い物のみならず、観光や滞在を含めた総合的な時間消費型施設としての進化を続けてきた。今回のリニューアルでもその姿勢は徹底されており、アパレルや雑貨にとどまらず、スイーツや家具、アウトドア、ゴルフ関連といった多様なジャンルを取り込むことで、多世代・多国籍の来訪者に対応する構成となっている。
特に注目すべきは、インバウンド需要の再拡大を背景にしたブランド誘致である。2024年以降、東アジア・東南アジアからの訪日観光客数は急速に回復傾向にあり、東京~箱根~富士~京都を結ぶいわゆる「ゴールデンルート」沿線に位置する同施設への関心も高まっている。御殿場は富士山という観光資源に加え、多言語対応、免税、モバイル決済といったインバウンド対応インフラの整備が進んでおり、アジア圏の若年層を中心としたファッショントレンド感度の高い層に向けた店舗構成を強化する狙いが見て取れる。
また競合施設との比較においても、御殿場は明確な優位性を有する。りんくう(関空アクセス重視)、軽井沢(高原リゾート)、木更津(都心近郊レジャー型)といった他のプレミアム・アウトレットと比して、御殿場は「目的型」と「時間消費型」の両軸を兼ね備えている点が大きな特徴だ。ショッピングに加え、温泉施設やホテルといった非日常体験を含めたトータルな滞在価値を提供する点で、施設としての成熟度と独自性が際立つ。
今回のリニューアルは、これまでにない勢いでその個性と質を押し上げる。WEST ZONE、EAST ZONEへのリニューアルも予定されており、御殿場プレミアム・アウトレットは、25年の歴史を土台にしながら、次の四半世紀に向けた再構築を本格的に始動している。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。