二子玉川ライズ・ショッピングセンター、2024年度売上高434億円で過去最高を更新 街とともに歩むSCの成熟戦略
東急株式会社が運営する「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」(東京都世田谷区)は、2024年度における全館売上高が434億7,390万円(前年比102.8%)となり、前年度に続き過去最高を更新した。来館者数も2,879万人(前年比104.5%)と堅調に推移しており、都市型SCとしての成長基盤が着実に形成されている。
開業14年を迎えた二子玉川ライズは、駅直結型の都市再開発によって整備された商業・住宅・オフィスの複合開発の中核を担い、地域住民にとっての「上質な日常」を体現する施設へと進化を遂げてきた。その背景には、沿線の高所得ファミリー層を意識したMD構成、街ぐるみのタウンマネジメント型イベント、デジタル接点の活用による来館促進といった多層的な戦略がある。
売上高増加の主要因として、2023年度に実施された地下食料品フロアのリニューアルと、2024年度における新規テナント「LOWYA(ロウヤ)」の出店が挙げられる。食料品売場では東急ストアおよびフードショー内の店舗入れ替えが奏功し、回遊性とリピート性を高めた。加えて、「フォーティファイブ・アール」「サーティワン アイスクリーム」などの既存店舗の改装が順次進行し、個店単位での魅力向上も売上増に貢献した。
2024年度には、延べ約200回にのぼる地域密着型イベントが実施された。春の「太陽と星空のサーカス」や夏の「アロハフェスティバル」、秋の「二子玉川ハロウィンパーティー」、冬の「クリスマスイルミネーション点灯式」など、季節ごとのイベントが街全体を巻き込みながら展開され、タウンマネジメントとしての統合力が発揮された。イベントは単なる集客施策にとどまらず、施設から街への送客、地域間連携の活性化を通じて、施設価値そのものを押し上げる役割を果たしている。
また、2021年に開業した体験型施設「PLAY! PARK ERIC CARLE」や、2022年度にリニューアルされたタウンフロント4階の高感度テナント群も引き続き好調で、近年の出店戦略が定着していることが示された。これらの取り組みに加え、TOKYU CARDや楽天ポイントカードのポイントアップ施策、映画とのタイアップイベントなど、購買動機を喚起するOMO型の仕掛けが継続的に行われており、SC全体の収益体質の強化につながっている。
2025年度も「H&M」の内装刷新や「ABCマート グランドステージ」の導入など、テナントリニューアルを通じた体験価値の向上が予定されている。施設は「上質な日常」「ここにしかない価値」「人と人がつながる場づくり」という3本の柱を基軸に、成熟期を迎えた都市型商業施設としての存在感を一層高めていく。以下、東急株式会社のプレスリリースから画像を引用。