横浜赤レンガ倉庫に新ブランド「Red Brick Bake!」誕生 “焼菓子で綴る赤レンガの記憶”を商業資産に昇華
株式会社ありあけは2025年4月25日、横浜赤レンガ倉庫2号館1階に新ブランド「Red Brick Bake! 西洋焼菓子舗」を開業する。文明開化の港町を象徴する歴史的建築・赤レンガ倉庫の佇まいを商品・店舗に投影し、“横浜らしさ”を体現する焼菓子専門店としての展開となる。
舞台となる横浜赤レンガ倉庫は、明治期に建設された旧税関倉庫を再活用した文化・商業複合施設であり、観光名所として年間600万人超を集めるエリアの核を担う施設である。2002年のリニューアルオープン以降、横浜の文化発信拠点として再生し、2023年の再整備では地元発ブランドの誘致が強化された。今回の出店も、地元企業による地域資源との共鳴を軸とした戦略的な出店の一環と捉えられる。
「Red Brick Bake!」は、“赤レンガ”の素材感と歴史性を視覚・味覚の両面で再構成する菓子ブランドである。商品ラインナップには、発酵バターやマルコナアーモンドなど厳選素材を使った「横浜赤レンガ クワトロ フィナンシェ」、フランス・ダコワーズ地方に由来する焼菓子を横浜風に解釈した「横浜赤レンガ ダクス」、そして赤レンガの質感を再現した重厚感ある「横浜赤レンガ サブリック」の3種が並ぶ。いずれも赤レンガ倉庫の建築美を想起させる造形にこだわり、横浜港に漂う異国文化と洋菓子の系譜をひとつのかたちに結晶させている。
株式会社ありあけは「ありあけのハーバー」で知られる横浜発の老舗菓子メーカー。2003年のブランド復活以降、“横浜の文化を菓子で届ける”という理念を貫き、駅ナカ・空港・観光地への展開を続けてきた。同社にとって赤レンガ倉庫は主力拠点の一つであり、今回の新業態は復活25周年を見据えた節目の施策でもある。ありあけ代表・堀越隆宏氏は、「素材選びから意匠まで、“赤レンガらしさ”に徹底的にこだわった」と語る。
近年では“建築をかたどった菓子”や“ご当地建物を再現するパッケージ”が観光消費の文脈で注目を集めており、国内外からの来訪者に対する視覚的訴求力も高い。実際、横浜赤レンガ倉庫は外国クルーズ船の寄港地でもあり、観光・インバウンド市場への対応も期待される。英語を冠したブランド名「Red Brick Bake!」もまた、グローバルな視認性と記憶定着を意識した設計とみられる。
焼菓子と建築意匠の融合、そして赤レンガ倉庫という地域文化資産との親和性。単なる“新店オープン”にとどまらない、商業施設における記憶と文脈の活用戦略が、今ここにかたちを得た。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
店舗概要
・店 名:「Red Brick Bake! 西洋焼菓子舗」
(レッド ブリック ベイク! セイヨウヤキガシホ)
・所在地:神奈川県横浜市中区新港 1-1-2 横浜赤レンガ倉庫 2号館1F
・電話番号:045-225-8205