タイトル:金沢発「ダシの三幸」が関東初出店、マルイファミリー溝口に新たな“出汁文化”を提案
金沢で六十余年にわたり出汁づくりを行ってきた「ダシの三幸」が、関東初となる店舗を2025年4月25日、神奈川県川崎市のマルイファミリー溝口に開業する。北陸地方を中心に店舗を展開してきた同社が、満を持して首都圏マーケットへの進出を果たす格好となる。
出店地である溝の口は、JR南武線および東急田園都市線・大井町線が交わる交通の要衝であり、再開発の進展とともに商業施設や飲食店舗が集積するエリアである。周辺にはファミリー層を中心とした人口集積があり、地域密着型の商業施設として定着しているマルイファミリー溝口においては、食品やギフト需要を兼ねた店舗構成が進んでいる。そのような立地特性を鑑みると、「ダシの三幸」の“お土産にも。手土産にも。普段の食卓にも。”というコンセプトは、親和性の高い商材といえる。
「ダシの三幸」は、加賀百万石の食文化を背景に、素材と製法にこだわった出汁製品を展開している。店舗では鰹やいりこ、鯛、飛魚、野菜といった12種類の出汁を揃え、店頭で日替わり試飲ができるなど、味を体感したうえで購入できる仕組みを採用している。これは、テイスティング文化の醸成と購買行動の接点を創出する販促手法として注目される。
出汁市場そのものも、家庭内調理の見直しや健康志向の高まりを背景に、近年改めて注目を集めている領域である。顆粒やパックといった利便性の高い形態が支持を得ている一方で、無添加や減塩といった品質訴求型商品への関心も強い。「ダシの三幸」が展開する商品は、こうした市場動向とも一致しており、都市型商業施設において差別化を図る要素となり得る。
また、同業他社としては東京・日本橋の老舗「にんべん」や、京都の「うね乃」などが存在するが、関東圏における地域限定型の出汁専門店は依然として数が限られており、競合との棲み分けが可能と見られる。とりわけ「加賀百万石」や「能登島」といった地名ブランドを活かした商品構成は、地方発信型の店舗として首都圏ユーザーへの訴求力を備えている。
本件は単なる物販テナントの追加という枠を超え、地域の食文化に新たな選択肢をもたらす出店といえる。今後の関東エリアでの展開の礎となる溝口店が、いかなる顧客体験を提供するかが注目される。以下、株式会社丸井グループのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
新店概要
場 所:マルイファミリー溝口 1F
オープン日:2025年4月25日(金)
営 業 時 間:10:30~20:00