池袋駅西口に“伝説の機内食”を掲げるベーカリー「Alsace Air」 ホテルとの連携でテラス席イートアウトも可能に
池袋駅西口から徒歩2分の好立地に、フレンチレストラン由来のベーカリー「Alsace Air(アルザスエール)」が新たな店舗を構える。開業日は2025年5月9日。同店は2024年1月に池袋駅から徒歩7分の場所に誕生し、フランスの航空会社を模した独自の世界観とフレンチシェフによる惣菜パンで注目を集めていた。今回の移転を機に製パン機能を拡充し、商品種目を増やして再始動する。
Alsace Airを手がけるのは、池袋の人気フレンチ「Brasserie Laiton(ブラッスリーレトン)」を運営するLaiton合同会社。フレンチシェフが手掛ける創作パンは、自家製パテやソーセージを使ったサンドイッチをはじめ、鴨肉のタルティーヌ、砂肝のコンフィのバインミーなど、クラシックな技法と遊び心を融合させた独自性の高いラインナップが特長だ。
新店舗は「Brasserie Laiton」の店内に併設され、正面にはデザインホテル「hotel hisoca ikebukuro(ホテルヒソカ池袋)」が位置する。2022年に開業した同ホテルは、全室サウナ付きの滞在型施設として20〜30代女性を中心に人気を博しており、ベーカリー客はこのホテルの屋外テラス席をイートアウトスペースとして利用できる仕組みとなっている。テラス付きベーカリーという都内でも限られた業態は、都市生活者の新たな朝食・ランチスタイルとして注目されるだろう。
池袋駅西口は、東口に比べて商業開発がやや控えめであったが、近年は再開発機運が高まりつつあるエリアである。特に「西池袋一丁目地区市街地再開発」などの大型プロジェクトが進行中で、今後さらなる来街者の増加が見込まれる。一方で、西口エリアには高価格帯のグルメベーカリーは少なく、Alsace Airのようなストーリー性と高付加価値を備えたベーカリーは、既存の商圏に新たな選択肢を提供する存在となる。
また、近年のベーカリー業界では、素材・製法にこだわった“グルメ系惣菜パン”の需要が高まっており、都内では「365日」や「メゾン・ランドゥメンヌ」などが牽引する形で高単価商品の定着が進んでいる。Alsace Airの展開はこうした市場動向とも合致し、コンセプチュアルなブランド構築に加え、ホテルのテラス活用という新たな接点創出にも挑んでいる点が他と一線を画す。
ブランド名の「Alsace Air」は、1960〜70年代にフランス・アルザス地方を拠点に運航していたとされる架空の航空会社をモチーフとしており、「機内食戦争時代の伝説的なサンドイッチ」を再現するという設定がなされている。こうした世界観に基づく商品設計は、Z世代やミレニアル層を中心にSNSでの話題化とも相性が良く、今後の販促戦略にも期待がかかる。
同店は4月25日以降、数日間にわたってプレオープン営業を予定しており、営業日程や商品情報などは公式Instagramで随時発信される。池袋西口において、ホテルと飲食の複合的な連携によりテラス型ベーカリーを実現する今回の出店は、都市型商業の新たな可能性を示す事例として注視される。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
- 店舗概要
屋号:Alsace Air(アルザス エール)
住所:東京都豊島区西池袋1-9-8
営業時間: 8:00-17:00 (売切の場合は閉店時間が早まる場合があります)
定休日:火曜・水曜(祝日の場合もお休みとなります)
公式Instagram:https://www.instagram.com/alsace.air/
電子メール:alsaceair@gmail.com
移転前は池袋駅から徒歩7分ほどの場所で2025年2月まで営業していました