「ららぽーと名古屋みなとアクルス」初の大規模リニューアル 商業×エンターテインメントの融合で施設価値を向上
三井不動産株式会社は、2018年の開業以来初となる「ららぽーと名古屋みなとアクルス」の大規模リニューアルを実施する。2025年3月21日より、新業態を含む35店舗の新店・改装オープンが順次行われるほか、センターコートの大幅改修や屋外広場の拡充、フードコートのリニューアルなど、施設全体の魅力向上を図る。エンターテインメント施設の強化とともに、家族連れや地域住民のニーズに応じた環境整備が進められる。
リニューアルの背景と狙い
今回のリニューアルは、近年の商業施設に求められる「体験価値の向上」を軸に実施される。東海エリアでは、「mozoワンダーシティ」や「イオンモール名古屋茶屋」などの競合施設もリニューアルを進めており、ららぽーと名古屋みなとアクルスも施設の魅力を再定義することで集客力を強化する狙いがある。また、近年の商業施設では、買い物だけでなくエンターテインメント要素を強化する傾向があり、今回のリニューアルでもその方向性が色濃く反映されている。
エンターテインメント施設の充実化
リニューアルの象徴的な取り組みとして、施設の中心に位置するセンターコートが刷新される。大型ビジョンやデジタルサイネージの導入により、イベントやポップアップストアとの連携が強化され、訪れるたびに新たな体験が提供される空間となる。商業施設におけるデジタルサイネージ活用は全国的に拡大しており、テナント広告や情報発信の場としての価値も高まっている。
また、愛知県初出店となる「うんこミュージアム」の導入も、エンターテインメント強化の象徴的な施策の一つだ。全国で話題を集めている同ミュージアムの出店は、若年層やファミリー層の来館を促進する効果が期待される。さらに、2025年に「みなとアクルス」エリアに開業予定のライブハウス型ホール「COMTEC PORTBASE」との連携により、エンターテインメントを軸とした施設価値の向上が進められる。
家族連れの利用を意識した環境整備
屋外広場「みどりの大広場」では、大型遊具「ふわふわマウンテン」や「ラージフォール&キャナルネット」が新設される。近年、都市型商業施設において屋外空間の活用が重視されており、ファミリー層の滞在時間を延ばす狙いがある。広大な芝生エリアを活用し、子どもたちが自由に遊べる環境を提供することで、地域住民の憩いの場としての役割も担う。
また、3階フードコート「LaLa Kitchen」ではキッズゾーンを拡充し、親子が快適に食事を楽しめる空間へとリニューアルされる。滑り台やベビーエリアを設置することで、子育て世代のニーズに応える設計となっている。フードコートの座席数は約800席に増設され、週末や繁忙期の混雑緩和も図られる。
テナント戦略と新業態の導入
リニューアルに伴い、新規出店や改装を含む計35店舗がオープンする。特に注目されるのは、愛知県初出店となる3店舗と新業態2店舗の導入だ。全国的に知名度の高い「つじ田」や、新業態の「坂角総本舖」が加わることで、飲食の選択肢が広がる。また、「TOKAI MAZDA BRAND PLACE」は、自動車ブランドの発信拠点として新業態を展開し、来館者に特別な体験を提供する。
1階の食物販エリアは「みなとマルシェ」として改装され、地元名古屋の人気店や全国で話題の食物販店が集結する。エリア全体のデザインには、食材を運ぶ船が行き交う運河の情景をイメージしたコンセプトを採用し、視覚的にも楽しめる空間が形成される。できたての料理を楽しめるイートインスペースも設置され、商業施設内での「食の体験価値」を向上させる施策が進められる。
デジタル技術の導入とスマートモール化の可能性
今回のリニューアルでは、デジタル技術の活用も強化される。センターコートのデジタルサイネージ導入に加え、今後の展開としてスマートモール化の可能性も考えられる。他施設では、デジタル決済やモバイルオーダー、AIを活用した混雑予測システムの導入が進んでおり、ららぽーと名古屋みなとアクルスでも同様の技術導入が期待される。
また、三井ショッピングパークのアプリとの連携強化により、施設内の回遊性向上や来館者の利便性向上が図られる可能性がある。商業施設のデジタル化は全国的なトレンドとなっており、今後の施策にも注目が集まる。
今後の展望
今回のリニューアルは、「ららぽーと名古屋みなとアクルス」が単なるショッピングモールではなく、エンターテインメントと融合した新しい商業施設へと進化するための第一歩となる。東海エリアでは、2025年秋に「三井アウトレットパーク 岡崎」の開業も予定されており、三井不動産は今後も商業施設の活性化を進めていく見通しだ。
ららぽーと名古屋みなとアクルスのリニューアルは、競争が激化する商業施設業界において、新たな価値を生み出す試みとなる。デジタル技術の活用、エンターテインメント要素の強化、地域との連携など、多角的な視点でのリニューアルが実施されることで、長期的な施設の魅力向上が期待される。今後の動向にも注目したい。以下、同社のプレスリリースから画像を引用。