740坪のクレーン特化は“見せつけた”だけで終わらないか GiGOクレーンゲームオアシスが問う「維持」の設計
三重県桑名市の「イオンモール桑名」に、GENDA GiGO Entertainmentがクレーンゲーム専門店「GiGOクレーンゲームオアシス イオンモール桑名」を2026年2月20日にオープンする。営業面積は740坪、クレーンゲームは243台を掲げ、10円プレイコーナーやレストスペースなど、“入り口の低さ”と“滞在”を同時に用意した構成だ。数字の迫力だけで、モール内アミューズの常識的なスケール感を一段飛び越えている。
この出店が象徴的なのは、イオンモールがすでにアミューズメントを抱えていることだ。イオンモール桑名にはモーリーファンタジーが入居し、アスレチック、メダル、クレーンなどを揃えた子ども向けの総合型として機能している。そこへ、あえて“クレーン特化”を、しかも740坪という面積で重ねた。ここで焦点になるのは、同じアミューズの追加ではなく、「館内で果たす役割を別物にできるか」という点である。
クレーン特化がモールで成立しやすい理由は、買い物の途中に差し込める時間単位の柔軟さにある。短時間で完結もできれば、気分次第で延長もできる。家族連れにとっては、買い回りの合間の“時間調整”になり、同伴者の合意形成もしやすい。今回、10円コーナーを入口に置き、レストスペースで獲得した菓子をその場で食べられる体験まで含めたのは、目的地というより「ついでの滞在」を太くする設計として読める。既存の総合型キッズアミューズと、狙うニーズの切り方が異なるなら、同一施設内でも共存の余地が生まれる。
ただし、740坪は“作った瞬間がピーク”になりやすい規模でもある。クレーンゲームは、体験価値が日々の運用に直結する。景品が新しく見えるか、補充が追いつくか、台ごとの差が大きくなりすぎないか、遊び方の説明や声かけがあるか。こうした要素は、面積が大きくなるほど均一に保つ難度が上がり、どこか一部の体験が崩れると「この店はそういう店だ」という印象が全体に広がりやすい。規模が武器になる一方で、規模がリスクを増幅する構造を抱える。
運用で最初に問われるのは、景品の回転である。243台を“見て楽しい”状態に保つには、キャラクター景品だけでなく日用品・食品・菓子といった幅を、鮮度を切らさず回し続ける必要がある。次に「取りやすさ」の一貫性が要る。取りやすさを訴求する以上、極端な台差や納得感の欠如は致命傷になり得る。さらに、人員配置と現場の手当てが追いつくかが決定的になる。補充、調整、故障対応、店内の整頓と安全配慮は、広さに比例して負荷が増える。740坪は、機械の数ではなく運用の厚みで評価が決まるスケールだ。
もう一つ、10円コーナーの扱いも“維持”の論点になる。入口としては強いが、安さだけが主役になると収益構造が歪む可能性がある。理想は、低単価で成功体験を作り、通常単価帯へ自然に移行してもらう流れだが、その導線が弱いと「賑わっているのに薄利」「混むのに満足度が伸びない」という状態に寄りやすい。大面積であればあるほど、入口設計の失敗は全体のパフォーマンスに直結する。
施設側の評価軸は明快で、週末の瞬間風速よりも、平日夕方以降の稼働、滞在の受け皿としての機能、動線の詰まりやクレームの増減、周辺テナントへの波及が問われる。既存のアミューズメントがある館に入る以上、「二つあることで何が良くなったか」を示せるかが重要になる。GiGOが740坪で“クレーン特化はここまでできる”を見せたのは確かだが、ニュースの価値はそこから先にある。半年後、同じ店が同じ体験品質で回り続けているか。その維持に成功したとき、このフォーマットは他の大型モールへ“型”として広がる可能性が高まる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
「GiGOクレーンゲームオアシス イオンモール桑名」概要
●住所:三重県桑名市新西方1-22 イオンモール桑名3番街1階
●アクセス:
電車:
近鉄名古屋線・JR関西本線「桑名」駅より三交バス「イオンモール桑名経由 大山田団地行き」
「イオンモール桑名経由 桑名ネオポリス行き」乗車、「イオンモール桑名口」バス停下車
車:
東名阪自動車道「桑名東I.C」「桑名I.C」より約5分
伊勢湾岸自動車道「湾岸桑名I.C」より約10分
駐車場3,800台
●営業時間:10:00~22:00
●営業面積:740坪
●設置台数:合計260台
クレーンゲーム/227台、10円クレーンゲーム/16台、キッズライド/17台、
カプセルトイ自販機/315面
●店舗URL:https://tempo.gendagigo.jp/am/CGO-kuwana/
●GiGOクレーンゲームオアシス特設ホームページURL:
●店舗X:https://x.com/GiGO_CGOkuwana
●電子マネー:非対応
●GiGOアプリ:スタッフが対応(回数券・サービス券利用可、チェックイン・アンギャ対応)






