生鮮スーパー3.0発進
世の中で重要なのに軽視されやすい業務というものがある。ロジスティクスである。ロジスティクスを物流と翻訳する傾向があるが、ロジスティクスの語源は諸説あるが古代ギリシア語のlogos(論理)にはじまり、ギリシア語で「計算を基礎にした活動」、「計算の熟練者」を意味する「logistikos」、またはラテン語で「古代ローマ軍あるいは東ローマの行政官・管理者」を意味する「logisticus」から派生してlogisticsに成っていく。もともとはロジスティクスという単語のみで使われるのではなく、ミリタリーロジスティクスで兵站として使われてきた言葉でもある。戦争において作戦を行う部隊の移動と支援(物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持)を計画し、また、実施する活動を指している。
兵站の入念な計画なくして戦いに勝つことは難しいことは歴史が証明し続けている。先の大戦ではインパール作戦で日本軍は極東の島国から東南アジアの最西端のビルマ(元ミャンマー)まで長い長い進軍を行い、十分な兵站なくして大英帝国に戦争を挑み敗北した。その敗走は過酷で白骨街道と呼ばれるほど熾烈であった。21世紀に入り、ロシアという巨大な国が隣国のウクライナに攻め込んでこのロジスティクスを軽視したために包囲され戦車は鹵獲され、兵士は賞味期限切れの食料を食べ、当初数日で終わると思われた戦争も泥沼のような状況になっている。
ビジネスにおいてもロジスティクスは最も重要な業務となる。発注・受注・出荷・入荷を滞りなく素早くサイクルを回すことが企業の戦略的な優位になる。小売業においても同様で生鮮スーパーであれば新鮮な野菜を素早く、必要な量だけ、売り場に届ける事ができれば消費者から評価され価値のある売り場を構築することができる。アパレル・雑貨であれば旬なトレンドを押さえた商品を旬なタイミングで入荷し売り場を構築することで無駄のない在庫の管理ができる。もっとも当たり前といえば当たり前のことだが、なかなかこれを実現することは難しい。
そんあ当たり前のことにちゃんと向き合って新しいタイプの店舗を株式会社ベイシアがオープンさせるとのこと。その背景としては、2020年9月の消費者調査で消費者がはベイシアに「新鮮さ」を期待していることがわかり、部署横断的改善プロジェクトを立ち上げて、生鮮食品の仕入れ方法の見直し、最新テクノロジーを駆使した配送方法の採用して鮮度の改善を推進。その成果として新スキームを今回の新しいタイプの店に導入したとのこと。この新しいタイプの店をFoods Parkというブランド名で今後展開していくらしい。「採れたて」「切りたて」「出来たて」「つきたて」「揚げたて」など鮮度にこだわり、店内加工・調理を充実させ、お客様に新しい価値を提供するとのこと。
当たり前だけどどの企業も出来ないことをやる。これが戦略の王道であり、勝ち筋。今回の新しいタイプの店舗はスーパーのあり方を変える可能性もある。同規模のSMはベイシアフードパークが近隣に出来ないことを願うように成っていくのではないかと思う。今後は各スーパーの大ロジスティクス合戦が始まり、物流運送事業者へしわ寄せがうんと高まっていくのかもしれない。以下、株式会社ベイシアのプレスリリースから画像と店舗情報を引用。
◆ベイシアフーズパーク大田原店概要
店舗名称:ベイシアフーズパーク大田原店
住 所:〒324-0057 栃木県大田原市住吉町1-14-12
電 話:0287-23-5100
営業時間:10 : 00 ~ 20 : 00
※11月23日(水)~12月13日(火)までの期間は、9 : 00オープンとなります。
定 休 日 :1月1日