4℃が関西に初の旗艦店、「4℃ SHOWCASE」グランフロント大阪に誕生──体験型店舗で新たな顧客接点を創出
従来の販売型店舗のあり方を見直す動きが、ジュエリーブランドでも本格化している。株式会社エフ・ディ・シィ・プロダクツが展開する「4℃」は、2025年7月5日、関西初の旗艦店「4℃ SHOWCASE グランフロント大阪店」を開業した。ブランドが培ってきたジュエリー製作の精神を、店舗空間そのものに昇華することで、“体験型”というキーワードにふさわしい新たな店舗像を打ち出している。
新店舗が位置するのは、梅田駅から直結する都市型商業施設「グランフロント大阪」北館1階。知的かつ都市生活者向けのテナント構成で知られるこの施設の中でも、本店舗は一際ガラス張りの外観が目を引く。まるで大型ショーケースそのものを模したようなファサードは、来館者の視線を自然と内部へと導く。
今回の店舗コンセプトは、「自由に触れて、感じたままに選ぶ」こと。4℃が長年培ってきたブランド哲学──清楚で誠実な美意識、記念日や人生の節目を彩るジュエリーという位置づけ──をベースに、より自発的な選択体験を重視した空間構成がなされている。ショーケース越しではなく、オープンディスプレイを用いた陳列により、来店者がジュエリーに直接触れながら選べる仕様となっている。
店内には、4℃の象徴的なコレクションはもちろん、ラグジュアリーラインや限定商品、さらにはブライダルリングまで幅広く展開。中でも注目は、同店限定で展開されるオリジナルチャーム。日本の伝統文様や色彩を取り入れたデザインは、同ブランドのクリエイティビティと技術力を象徴するプロダクトとして、来館者に強い印象を与える。
また、4℃グループ全体が推進してきたブライダル事業についても、本店舗では4℃をはじめ「Canal 4℃」「EAU DOUCE 4℃」の3ブランドを一堂に取り揃え、旗艦店ならではの選択肢の広さを確保。スタッフによる丁寧な対応と相まって、特別なリング選びの場としての機能も果たしている。
今回の関西旗艦店の開業は、ジュエリーブランドとしての4℃が抱える既存イメージ──“贈られるジュエリー”や“若年層向け”といった枠を越え、新たな層との関係構築を意図した戦略的な一手といえる。これまで百貨店や駅ビルといった“接触の場”に重きを置いてきた同ブランドにとって、OMO戦略や体験価値重視の時代に即した空間演出は、今後の全国展開における指針ともなるだろう。
変化する商業空間において、単に「物を売る場所」から「ブランドを体験し共感する場所」へ。4℃ SHOWCASEの関西初進出は、都市型商業施設におけるテナントの新しいあり方を示す一例として、業界関係者の注目を集めそうだ。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
■「4℃ SHOWCASE グランフロント大阪店」店舗情報
営業時間・定休日:11:00~21:00 * 商業施設に準じます
住所:大阪府大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪ショップ&レストラン北館1F B112-113
電話番号:06-6359-4454