魚民 池袋西口駅前店、業態転換で再出発──専門性から汎用性へ、池袋西口で競合優位性を再構築
「白木屋」や「目利きの銀次」などを展開する株式会社モンテローザは、2025年8月4日(月)、東京都豊島区の池袋駅西口において、「豊後高田どり酒場 池袋西口駅前店」を「魚民 池袋西口駅前店」へと業態転換し、リニューアルオープンする。
同社のブランド再編戦略の一環として行われる今回の業態変更は、出店エリアにおける競合構造と立地特性を踏まえた上での再定義ともいえる。旧業態である「豊後高田どり酒場」は、九州地鶏を主軸とした焼鳥・串焼き特化型の専門ブランドであり、地域によっては高い集客力を示してきた。しかし池袋西口は、都内でも有数の飲食集積エリアとして知られ、特に「やきとん」「焼鳥」業態に関しては多店舗展開が進んでおり、競合密度が高い。鳥貴族、やきとん一休、筑前屋などのチェーンが立地を固め、焼き業態としての差別化が困難になりつつある中で、より汎用性の高いブランドへの切り替えは、商圏内でのポジション再構築に向けた合理的な判断といえる。
「魚民」は、和のくつろぎを基調とした空間設計と、刺身・煮物・郷土料理を中心としたバリエーション豊かなメニューを強みに持つ業態である。学生や会社員、観光客などが入り交じる池袋西口エリアにおいて、幅広い客層をターゲットに据えたメニュー構成と、個室感のある店舗空間は、滞在性と利用頻度を高めるうえでも有効だ。
また、モンテローザ全体としてのブランド整理が進む中、魚民のような認知度の高い主力ブランドへリソースを集約することで、調達や人材育成、販促活動におけるスケールメリットを生み出す狙いも見える。飲食業界全体が人手不足や運営効率化の課題を抱えるなか、店舗ごとのオペレーションを共通化しやすい汎用型業態への切り替えは、今後の事業持続性という観点でも一定の合理性をもつ。
池袋西口という高密度な商業エリアにおいて、店舗リニューアルを伴う業態変更は、単なる看板の架け替えにとどまらず、ターゲット再設定と商圏適応を含むリブランディングの一手となる。モンテローザが長年培ってきた「魚民」ブランドを再び都市型拠点で展開することで、変化する商業地の中でいかに適応力を持つか、その取り組みが注目される。以下、株式会社モンテローザのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
開店日時:2025年8月4日(月) 17:00~
営業時間:月~木 17:00~1:00
金・土 17:00~3:00
日・祝 17:00~0:00
定 休 日 :なし
住 所:東京都豊島区西池袋1-36-8 ロマンスビル3階
電話番号:03-5950-1988
席 数:130席
喫 煙 室 :あり