魚屋の新たな挑戦、駅ナカでの即食型業態が加速 サカナバッカがエキュート秋葉原に出店
エキナカ商業施設「エキュート秋葉原」に、鮮魚専門店「サカナバッカ」が2025年4月7日に新店をオープンする。運営するのは、飲食店向け食材EC「魚ポチ」や鮮魚セレクトショップを展開する株式会社フーディソン。東京23区内を中心に鮮魚の魅力を伝える独自業態で知られ、駅ナカへの出店は品川、大宮、新橋に続く7店舗目となる。
エキュート秋葉原は、JR秋葉原駅構内に位置し、乗降客数が一日40万人を超えるターミナル型駅ナカ施設である。主に通勤・通学客やオフィスワーカーがターゲットとなる同施設において、魚屋業態の出店は惣菜・弁当領域の中でも特に鮮度や専門性が求められるジャンルにあたる。今回の出店により、施設の食機能におけるバリエーションが拡充されることになる。
サカナバッカは、これまで“魚は好きだが手間がかかる”という生活者の声を背景に、駅構内で購入し即座に食べられる商品設計を追求してきた。秋葉原店でも例外ではなく、看板商品である「ばらちらし」や、同店限定の「秋葉原本まぐろ山盛り丼」など、調理不要で即食可能な商品群を展開。焼魚弁当や寿司、珍味といったアイテムも揃え、都市型駅ナカ立地における高鮮度・高付加価値の魚屋としての立ち位置を確立しようとしている。
特筆すべきは、こうした駅ナカ出店が単なる惣菜販売にとどまらず、生活導線上に魚のある暮らしを再構築する試みである点だ。日本では魚介類の年間消費量がこの20年で半減しており、背景には「調理が面倒」「魚が売っていない」といったハードルの高さがある。サカナバッカはこの社会課題に対し、駅ナカという“素通りできない日常動線”の中に鮮魚を組み込み、利便性と高鮮度を両立した“新しい魚屋像”を提示している。
秋葉原という立地も、業態にとって追い風となる。再開発によるオフィス集積に加え、国内外の観光客が行き交う多層的な顧客層が特徴であり、ランチ需要から夜間の持ち帰りニーズ、観光のついで買いまで多様な需要が想定される。エキュート内においても、デリ・弁当業態は競争が激化しているが、鮮魚系即食業態はまだ少なく、商品特性の差別化によって確固たるポジションを築く余地がある。
フーディソンは今後も駅ナカを中心に鮮魚販売網の拡大を見据えており、従来型の路面店とは異なる都市生活者へのアプローチを進めている。サカナバッカのエキナカ展開は、商業施設におけるテナント構成の中でも、食の多様性と専門性を両立させる好例となっている。食卓に魚を戻す取り組みが、駅ナカから着実に進みつつある。以下、株式会社フーディソンのプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
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サカナバッカエキュート秋葉原店 概要
オープン日時 2025年4月7日(月) 場所 〒101-0021 東京都千代田区外神田1-17-6 JR秋葉原駅 改札内1階 営業時間 営業時間:月~金 10:00~21:00/土日祝 10:00~20:00