高級食パンブームの変化に対応—リモデル型ベーカリー「Cocorire + R Baker」杉並区にオープン
高級食パンブームのピークが過ぎ、ベーカリー業界では業態変更や新たなビジネスモデルの模索が進んでいる。こうした中、株式会社アールベイカーは、既存の高級食パン専門店をフランチャイズ加盟によりリモデルし、新たな形態のベーカリーとして展開するビジネスモデルを推進している。その第二号店となる「Cocorire + R Baker」が、2025年2月22日に東京都杉並区にオープンする。
アールベイカーは「心とからだにおいしいパンを」を理念に掲げ、国産米粉を活用したベーカリー事業を展開するブランドだ。同社は2024年10月から、既存の高級食パン専門店をリモデルし、フランチャイズ展開する新しい事業戦略を開始。その第一号店となる「R Baker mini 本八幡店」に続き、今回オープンする「Cocorire + R Baker」は、この戦略の第二弾となる。
高級食パン市場は2013年頃から盛り上がりを見せ、2019年にピークを迎えた。しかし、専門店の乱立やコロナ禍での家庭内需要の変化、さらに近年の原材料高騰により市場は縮小傾向にある。こうした背景の中、多くの高級食パン専門店が業態変更を迫られる状況となっている。アールベイカーのリモデル戦略は、こうした店舗に新たなビジネスチャンスを提供するものといえる。
「Cocorire + R Baker」では、アールベイカーの人気商品である『のびーるクロワッサン』や米粉を使用した『米クロ』など、健康志向の強いパンを多数取り揃える。約30〜40種類のパンが常時店頭に並び、高級食パン専門店のオーナーがフランチャイズに参画しやすい仕組みを採用している。店内で製造する食パンをはじめ、クロワッサンなどはセントラルキッチンで成型まで行い、店舗では焼き上げるだけの形で提供する。このオペレーションにより、品質の安定化と効率的な運営が可能となる。
また、アールベイカーはフランチャイズ展開を多様化させており、資本力のある企業向けには「R Baker」として直営・フランチャイズの両モデルを提供。さらに、個人オーナー向けには「東京揚げどらやき」などの異業態モデルも展開している。また、既存店の屋号を維持しながらR Bakerの商品を取り扱う「R Baker ボランタリーチェーン」という新たな協業モデルも導入し、業態転換を検討する店舗オーナーに柔軟な選択肢を提供している。
ベーカリー業界は依然として健康志向の高まりに伴い、米粉を使用したパンや低糖質・グルテンフリー商品などが注目されている。特に、国産米粉を使用するアールベイカーの取り組みは、食料自給率向上という社会的な観点からも評価されている。今後、同社はリモデル型フランチャイズを加速し、新たなベーカリー市場の開拓を進めていく。
「Cocorire + R Baker」の出店地である東京都杉並区・西荻窪エリアは、個性的なカフェや飲食店が点在し、食に対する関心が高いエリアとされている。今回の新店舗は、地域の需要に応えつつ、既存の高級食パン専門店オーナーにとっても新たな可能性を示すものとなりそうだ。
アールベイカーのリモデル型フランチャイズは、今後も業態転換を検討する店舗オーナーにとって有力な選択肢となり得るだろう。縮小傾向にある高級食パン市場において、どのような成長戦略を描くのか、今後の展開に注目が集まる。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。