駿河屋、本店機能を再編 静岡中心市街地にゲーム特化型旗艦拠点を構築
静岡市中心部において、ゲーム・ホビー領域に特化した大型拠点が誕生する。株式会社 駿河屋は、2026年春に「駿河屋 本店 ゲーム館」を開業すると発表した。売り場面積は約992㎡(約300坪)に及び、同社リアルストアの中でも最大級の規模となる。
本件は単なる新店開業ではなく、駿河屋が進めてきたリアルストア戦略の中でも、本店機能そのものを再定義する動きとして位置付けられる。従来の本店である「駿河屋 本店 駿河屋ビル」との役割分担を明確にし、ゲーム関連商材を一拠点に集約することで、専門性と集客力の両立を図る構えである。
新設されるゲーム館では、最新タイトルから入手困難なレトロゲームまで幅広い商品を取り扱うほか、攻略本、サウンドトラック、フィギュアなど周辺領域も含めた包括的な品ぞろえを計画している。特徴的なのは、膨大なバックヤード在庫と売り場を連動させる運営モデルであり、店内端末を通じて在庫情報を確認し、実機の状態を確かめたうえで購入できる仕組みを導入する点である。EC発祥企業ならではの在庫管理力と、リアル店舗ならではの体験性を組み合わせた設計といえる。
立地はJR静岡駅から徒歩圏内の伝馬町エリアで、「ホビーのまち静岡」として知られる地域性とも親和性が高い。観光消費に依存するのではなく、目的来店型の拠点として国内外のゲームファンを呼び込むことを狙った配置であり、中心市街地における滞在型集客装置としての役割も期待される。
また、開業準備に伴い、既存本店の売り場構成は段階的に移転・再編される予定である。ジャンルごとに販売開始や一時休止の時期を明示している点からも、本件が一過性の話題づくりではなく、中長期的な店舗運営体制の再構築であることがうかがえる。
EC強者がリアル空間でどこまで専門特化と規模拡大を両立できるのか。本店機能を分散・高度化する今回の取り組みは、今後の商業施設における大型専門店誘致や、体験型テナントの在り方を考えるうえで一つの指標となりそうである。以下、同社のプレスリリースから画像と店舗概要を引用。
「駿河屋 本店 ゲーム館」店舗概要(予定)
名称: 駿河屋 本店 ゲーム館
オープン時期: 2026年春
所在地:静岡県静岡市葵区伝馬町6-1 けやきプラザ4階
取扱商材: ゲームソフト・ハード、ゲーミングPC、PCパーツ、ゲーム関連グッズ、攻略本、ゲーム系雑誌、ゲームサントラなど
URL: https://www.suruga-ya.jp/feature/realstore/honten_game/index.html
※日程や内容は予告なく変更になる可能性があります





