駅の役割・使命を全うする中央林間東急スクエア
駅ビル商業施設のあり方が都心周辺地区でも動き始めている。これまで関東近郊の駅では駅ビルで公共施設をテナントとして迎え入れているケースは散見されてきた。今回は都心と近い神奈川県大和市の中央林間駅の駅ビル機能を提供している中央林間東急スクエアで公共施設をテナントとして迎え入れるというニュース。中央林間は大和市にある駅で大和市の市役所は南林間駅と大和駅のあいだにありアクセスに難がありました。一方中央林間は東急田園都市線の終着駅であり、多くの人口を有する街。中央林間にも「充分な」地方自治体の機能があるべきでしたし、その機能を多くの市民が求められていたのだと思います。それを受け今回は住民票の発行だけの簡易な窓口機能だけではなく、図書館、子育て支援施設、市民課窓口を開設するとのこと。
この施設が成功すると、1都3県の駅から市役所が遠い自治体も同様にテナントとして駅ビルに入る可能性が高まります。そもそも駅はマストランスポーテーションの起点になるだけではなく、人が集まり、交わる場所ですので公益性の高い場所。駅ビルとしての機能にそこに住む全ての世代の人がメリットを感じられる公益性が備わっているべきなのかもしれません。今回の中央林間東急スクエアの取り組みは大変意義があり意味がある開発ではないかと思います。今回の取り組みが成功すれば、駅ビル商業施設のあり方が変わってくるのかもしれません。今後の中央林間東急スクエアの展開には注目していきたいです。
以下、東京急行電鉄株式会社のプレスリリースより抜粋。
3月28日(水)に「中央林間東急スクエア」(以下、本施設)を開業します。本施設は、これまで東急ストアとして地域に親しまれてきた3階建ての商業施設で、今回のリニューアルでは、全面改装する東急ストアに加え、周辺エリアにお住まいの多世代のお客さまが日常使いできるような雑貨や衣料品、サービステナントなどを中心に35店舗が出店します。
さらに3階には大和市が、図書館、子育て支援施設、市民課窓口を開設します。図書館は、商業施設の通路に面した壁や仕切りを設けないことで、開放的な空間とし、お客さまの立ち寄りやすい図書館を目指します。隣接する星乃珈琲店でテイクアウトした飲み物の持ち込みができるだけでなく、星乃珈琲店内に貸し出し手続き前の本や雑誌を持ち込むことができ、珈琲を楽しみながらゆっくりと本を読める、心地よい空間をご提供します。また、送迎ステーション、託児室、子育て相談室の3つの機能を備えた子育て支援施設では、駅前立地の利点を生かし、子育て世代を支える役割を担います。商業空間と公共施設が融和することで、地域の皆さまのライフスタイルを支える新たな街のコミュニティ空間を創出します。