食品サンプルの名門「サンプルビレッジ いわさき」、飛騨高山に新店舗──伝統街区「蔵の町 飛騨天領」に出店
食品サンプル製造の老舗、岩崎模型製造株式会社(本社:岐阜県郡上市)が運営する「サンプルビレッジ いわさき」が、2025年11月1日(土)に新店舗「高山店」を開業する。出店地は、飛騨高山の古い町並み地区・上二之町に新たに整備された商業施設「蔵の町 飛騨天領」内である。築250年以上の町屋建築を活用し、伝統的な意匠を残しながら新築棟を加えた全12区画の施設は、飛騨の歴史的景観を背景に“まちなか文化商業拠点”としての整備が進む。
今回の出店は、同社にとって郡上八幡・流響の里に続く観光地型施設の拡張であり、飛騨地域への初展開となる。新店舗では「高山店オリジナルの食品サンプル体験メニュー」や限定グッズを用意し、観光客が短時間で楽しめる体験型コンテンツを中心に構成される。既存店舗で好評を得ている天ぷらやパフェの制作体験をベースに、飛騨の食文化を取り入れた新たなメニューも導入される予定だ。
食品サンプルは、訪日外国人観光客から高い人気を集める日本特有の文化として知られている。リアルな造形や彩色技術、職人による手仕事の精度は“日本のクラフト”として海外でも注目を集めており、サンプルビレッジでは年間来訪者の約3〜4割が外国人観光客を占めるという。とくに「言葉を超えて楽しめる」「SNS映えする」「旅の記念に持ち帰れる」といった特性が評価され、体験型観光の代表的なコンテンツとして定着している。
飛騨高山は年間350万人以上の観光客が訪れる国際観光都市であり、欧米・アジアを中心とするインバウンド需要の回復が続く。古い町並みを中心に民芸品や食文化を扱う店舗が集積し、近年は宿泊・体験・買い物を組み合わせた“複合滞在型観光”の需要が高まっている。こうした流れの中で、食品サンプルという「日本文化の見て触れて楽しめる体験」は、地域観光の多様化を後押しする存在となる。
「蔵の町 飛騨天領」は歴史ある町屋群を再生した商業空間として、飲食・体験・土産物・文化交流の各分野を横断的に結ぶ拠点を目指している。サンプルビレッジ いわさきの出店は、その核となる体験要素を担うものと位置づけられ、今後のエリア価値形成にも寄与するとみられる。伝統的な町並みの中に現代的な体験を融合させる本取り組みは、地方観光地における文化産業の新たな展開モデルとして注目される。以下、プレスリリースから画像を引用。